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山形達也85歳の心理学

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2014.05.30
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カテゴリ:日本の将来

さえ:

内田樹氏の書いた「GQの人生相談6月号」で『やっぱり年金には入っておいた方がよいでしょうか? 年金制度は崩壊する、ということを耳にしたのでおたずねします』と言う質問への答を読みました。(資料1)

内田樹氏は「日本辺境論」を書いた人で、大評判になりました。昔ぼくも読んで大いに感心したことがあります。日本人は西欧を中心と見て自分たちは辺境人だというコンプレックスからすべてを発想していると言うことのようですね。反論したい気が起きましたが、見事に煙に巻かれてしまったというのが正直なところです。

今回の答えも見事です。そうだ、その通りだ、よくぞ言った、と声援を送ります。国民が信頼しているから国があるのであって、信用しなければ存在できずに消えてしまうのが国なのだ、株券と同じなのだ、と喝破しています。今までこのように考えたことはありませんでした。

『年金というのは「政府に対する信用」に基づいているという意味では通貨と同じです。「日本円が使えなくなるらしい」と聞いた日本人たちが「じゃあもう日本円をドルに換えよう」と一斉に動いたら、日本円はたちまち紙くずになります。日本銀行券が通貨として機能しているのは、日本銀行が発行するこのぺらぺらな紙切れに価値があると「みんなが思っている」からです』

『年金だって同じです。年金制度が成り立つのは無窮の国民国家という幻想です。日本国は100年後も200年後も存在していて、まともに統治されているということを前提にして年金制度は設計されている』

『日本の年金制度や健康保険制度は世界で最も優れている制度の一つだと思います。制度自体は。ただし、国民の信用供与によって成立しているので、みんなが国を信用しなくなったらその瞬間に崩壊』します。

『100年後も日本はあると思いますか? と問われると、僕も「あります」とは断定できません(彗星が衝突するかも知れないし、地殻変動があるかも知れないし)。でも、どんなことがあろうと、国家というのは国民からの信用供与によってはじめて成立するものです。国民が国に対して信用供与すれば、信用に値する国家ができあがり、誰も信用しないと、なるほど信頼に値しない国家ができあがる。その点では株と一緒です。みんなが買えば高くなる。みんなが売れば安くなる。国民と国家の関係はそんなふうにダイナミックで生成的な関係なんです。国民とは別に自存しているわけじゃありません』

『「この国を住み易い国にしたい。そのためには身銭を切ってもいい」と思っている人の数が多ければ多いほどその国は住み易くなり、「この国は住みにくいし、先行きもわからないので、無駄に年金も税金も払いたくない」と思う人の数が増えれば増えるほど、その国はますます住みにくくなる。それだけのことです』

最近の河野太郎氏のブログによると、2012年の年金保険納付率は40%なのですね(資料2)。これじゃ、近々、現行の年金制度が成り立たないことになるでしょう。

若者は年金保険を払わないことによって、日本という国を信用せず、将来を託していないことになります。少子化を心配するまでもなく、日本が消えるときが直ぐそこまで来ているみたいです。

今のぼくは短い将来ですが、それを日本という国に託していますし、この美しい自然に恵まれている日本という国に消え去って欲しくないのですけれど、そのためには、どうしたらよいのでしょうね。愛国教育みたいに、頭ごなしに日本の国旗と国家を敬えなんて言われたって、反発しか覚えないのと同じですよね。日本人なのだから日本の国を頼るべきだ、その証拠に年金の掛け金を積み立てるべきだと言われても、一寸計算すれば破綻が目の前じゃないか、と言うことになります。

うさみのりやさんの書いているように(資料3)、国民を欺瞞する年金の計算を発表することは止めて、正直な数字と見通しを国民の前に示すべきでしょう。そして日本を存続させるにはどうしたらよいかを皆で真剣に議論すべきでしょう。そのためには、高齢者の既得権だった年金を手放さなくてはいけないかも知れないし、世の中から少しでも速く消えることが世のため、日本のため、地球のためと言うことになるかも知れませんけれどね。

(資料1)http://blogos.com/article/87217/
『GQの人生相談6月号』 内田樹 2014年05月27日

(資料2)http://blogos.com/article/87217/
『こんなに低い保険料納付率』 河野太郎 2014年05月28日

(資料3)http://blogos.com/article/87355/
『厚生労働省の人達とお話ししたこと 〜もう大本営発表は辞めませんか〜』 うさみのりや  2014年05月28日





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最終更新日  2014.05.30 07:33:51
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