テーマ:海外生活(7775)
カテゴリ:イギリス
15年前のイギリスボランティア留学日記です。
連続小説風になっていますので、初めてのかたは 左のページを見てもらえたら幸いです。 約束の水曜日、コーチ(長距離バス)に乗り込んだ。 コーチでの旅は、列車よりも数段楽しい。 山道を走ったり、街中を走ったり、ときには通学路を通ったり。 いろんな風景を眺めることができる。 時間はかかるが、その分いろんなイギリスに出会うことができるので、 私は断然コーチ派になってしまった。 さて、今回のコーチは、バーミンガム発グラスゴー経由エディンバラ行き。 たまたま、隣にかなりかっこいい男性が座ってる。 笑顔がさわやか、ブロンドで、涼しげな目元。 5時間以上の長距離なので、知らんふりも不自然だ。 どちらからともなく話し始めた。 彼の名前はケビン。 ケビンって名前、割と好きだ。 ケビン・ベーコンやケビン・コスナーなどの影響かも。 ケビンはバーミンガム生まれ、今は仕事でシカゴに住んでいる。 仕事は金融関係、今回はスコットランドのグラスゴーで仕事があると言う。 いろんなたわいない話をし、意気投合。 あっという間にグラスゴーに着いた。 さ、いざ降りると言うときになって彼は 「君は本当にpretty womanだ」 「僕と一緒にグラスゴーで降りようよ」 「仕事なんて、一日ぐらいずらせばいいよ、一日だけ一緒にいようよ」 しまいには 「君をシカゴに連れて帰りたい」とまで言い出した。 ずっとバーミンガムでつらい思いをしていたので、 自分をこれほどほめてもらったのは、実に久しぶり。 いえ、もしかしたら初めてかもしれない。 でも私にはお仕事が待っている。 それも希望がいっぱい詰まった仕事が。 丁重にお断りすると、彼は名詞を取り出して、 「いつでも連絡してきてね」と言ってきた。 ん・・・・???もしかして本気??? さて、エディンバラについてから、彼の名詞にある住所に 落ち着いた旨の手紙を送ったが、返事はなし。 クリスマスカードを送ったら、年明けに返事がきた。 「バーミンガムは僕の心のふるさと。すばらしいところだったでしょ?」 申し訳ないが、ここでは本心を語ってしまった。 「ごめん、あんまり好きになれなかった」と。 以後、返事は来ない。 このあと、2回手紙を送ったが、やはり返事は来ない。 ふるさとをけなされて嫌気がさしたのか、 あるいは最初っから、遊び相手としての尻軽女に見られたのか、 今となっては確かめようもない。 ま、楽しい出会いではありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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