天下道楽倶楽部・別館

もう少しで金がないのに選手着用済みのマスクに手を出しそうになりました。
あー、欲しかったよう。

ちゅことで昨日はプロレスを見に行ってました。
団体は「大阪プロレス」。
スペル・デルフィンを社長とする大阪を拠点とする団体です。
旗揚げして４年位しか経ってませんが、大阪にいらっしゃる方ならご存じでしょう。
団体としての基盤を急激に且つ着実に築き上げている地域密着団体です。
この日は新日本プロレスから獣神サンダーライガーも特別参戦。
見事に大阪プロレスの面々に振り回されながらも、しっかりお笑い部門を
こなしてくれました。最近本陣でふがいなくギスギスした試合しかしてなかったので
なんかライガーの原点を見たような気がして返って新鮮でした。
ありがとう、えべっさん＆くいしんぼう仮面！
ちゅかこのカード決めたデルフィン凄いわ。

で。

後ろの席に居た高校生か大学生くらいの女の子が試合の最中、
「やーん、もう痛そうー。」
とか。
「何!?今何が起きたの!?」
とか。
「どっちが悪い人!?あっち!?あの黒い人!?」
とか
「勝ったの!?負けちゃった!?えー？負けちゃったのー!?」
とかはしゃぎまくりでそっちの方が面白かった。
かく言うわたいは、青コーナー側の花道席にいたので、真横を選手が通り抜けるたびに
大はしゃぎしてましたんですがね。落ち着き無い大人此処に有り…。

女の子と聞いて驚くなかれ、プロレス会場には意外と女性の姿も多いのですよ。
引っかけて帰れるものなら帰りたいという本音はさておいて、
男性比率が大半とは言え、皆が思う程男臭い会場内というわけではありません事よ。
あと親子連れも居ますし、じーちゃんばーちゃんも居ますぞ。

プロレスの入り方として、プロレスは格闘技で行う神楽と思って貰えれば良いかと思います。
大阪プロレスのえべっさんは自身を「体を張った寄席芸人」といいます。
彼は会場の雰囲気を明るく楽しくする役割を担っています。かといってえべっさんは
プロレスが出来ないと言うわけではありません。実は中身はかなりの実力選手なのです。
明るく楽しい初っ切り試合でも、基本的にプロレスの技を受けて会場を沸かせるのですから
ある意味普通に試合を進める選手よりも頭が良く、尚かつ選手としての基本がしっかりして
いないとつとまらないポジションといえます。

他の格闘技と違ってプロレスはファン・客との駆け引きもしなくてはいけません。
そして相手の攻撃を耐えなくてはいけません。強さの誇示、忍耐強さ・頑丈さの誇示です。
考えても見てください。
２メートルもの高さから自分の上に100kgもの人間が降ってくるんですよ？
自分の背丈よりも高いところから叩きつけられるんですよ？
殴られて蹴られて関節極められて首絞められて目はつつかれて体を反り返されて
頭から落とされてイスやテーブルで殴られて鉄柱にぶつけられてフォーク刺されて
毒霧食らって、そこまでされてその日のうちに巡業先に旅立たなきゃいけないんです。
丈夫じゃなきゃこんなことやってられませんて。
攻めの強さで客を興奮させ、受けの強さで客を興奮させ、客を煽って興奮させて
初めて成り立つ格闘技がプロレスなのです。
ボブ・サップがあれだけプロレスのリングで存在感を出しながらもプロレス関係者から
レスラーとしてまだまだだと言われるのは、プロレス独特の間をまだうまく使いこなせて
いないからなんですよ。

プロレスはエンターテイメントでプロレスラーは体を張ったエンターテイナーです。
失礼な言い方をすれば、実際に殴る蹴る投げるということをやっている、等身大の
ヒーローショーと考えてください。
ただし試合を行っているのですから、そこは選手権が存在する立派な競技でもあるのです。
プロレスで言うストーリーとは、若手を育て上げる筋書きであったり、シリーズを
盛り上げるための布石であり、次期シリーズに期待を持たせるための複線であるわけです。
何の脈絡もなく、ただ単にわざと負けるような作りをしていると捉えないで欲しいのです。
筋書き八百長が分かってないとか変な煽りをしていますが、プロレスファンにとって
こう行ったことは誰しも承知していることであり、その筋書きが如何に面白く、
そしてうまく作り上げてあるのかと言うのも、プロレス団体の評価の一つなのです。
プロレスの筋書きとは、シリーズを明るく楽しく激しく最高潮に突き進めるために
選手の意欲を促す知恵であり、活性剤なのです。

いろんな格闘技という物を越えた物がプロレスと御大ジャイアント馬場は言いました。
まずプロレスを余計なことを考えずに楽しみに会場に行って下さい。
先に書いた女の子のようにストレートにリング内を観察すると
すんなりプロレスという物に入り込むことが出来ます。
数回行けば、そこからプロレスの間と言う物を自然と覚えるようになります。
何処の団体が初心者でもすんなり楽しめるかは身近なプロレスファンに聞いてみましょう。
わたいはプロレスリング・NOAHと大阪プロレスをお勧めします。

今日は以上！