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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 英国も政権変わり暑気中り ドイツ降伏から間もない 1945年7月の英総選挙。首相チャーチ ルは自身が率いる保守党の惨敗に衝撃を受けた。妻が今後、幸せも あるだろうと「一皮下にはかえってよいことが隠されているのかも しれない」と慰めたが「今のところは、その一皮がひどく厚い」と 答えたという(河合秀和著『チャーチル』)▼戦争に疲れた国民は 福祉の充実を唱えた労働党にひかれたらしい。ヒトラーから国を守 った戦時指導者を下野させるのだから、有権者も厳しいものだ▼英 総選挙が投開票され、スナク首相が率いる与党保守党が惨敗を喫し 、野党労働党が14年ぶりに政権を奪った▼保守党が勝った前回総選 挙から4年半余。新型コロナウイルス禍の規制に国民が耐えていた ころの首相ジョンソン氏は官邸でパーティーを開き、後任のトラス 氏は財源の裏付けの弱い大型減税を掲げて市場を混乱させ、42歳で 後を継いだ若きスナク氏も悪い流れを変えられなかった。チャーチ ルの時との違いは、大敗に驚く人がいないことだろう▼45年に下野 したチャーチルは70歳だったが、引退しなかった。数カ月後の党の 集会で「あの総選挙における国民の投票は、わが党が長い多彩な歴 史の中で蒙った最悪の災厄の一つである」と語り、6年後に首相に 返り咲くのだから相当な執着心だ▼首相をくるくる変えた今の保守 党に、そんな人材はいるだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.07.06 04:55:40
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