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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) こどもゆえ許されんこと鰯雲 双子の野ねずみが主役の人気の絵本シリーズ『ぐりとぐら』で知 られる児童文学作家の中川李枝子さんは子どものころ、みなしごに 憧れたという▼自分のように父母のいる子の未来はきっと平凡。物 語に出てくる波瀾万丈の子がうらやましかったそうだ。本好きの子 らしい発想。古今東西の児童文学の名作をそろえる岩波少年文庫な どに夢中になったという▼中川さんが89歳で亡くなった。作品を子 どものころに読み、親になって子に読み聞かせた人も多かろう▼文 学少女は長じてすぐに筆をとらず20歳で保育士に。やがて子どもた ちを楽しませるため、物語を作り始めた。『いやいやえん』は「い やだ、いやだ」と何かと駄々をこねる保育園児が何をしても叱られ ない施設・いやいやえんに連れていかれ、心境が変わる話。駄々っ 子と向きあったから生まれた物語だろう▼同じ保育園に17年勤務。 神経質な子、のんきな子など子の個性はさまざまという。一人一人 が面白く、くせ者。「今をより愉快に素晴らしく過ごそうと精いっ ぱい生きている」と映った。昔、波瀾万丈の人生を夢見た人の才を 花開かせたのは、ごく平凡にも見える子どもたちだったらしい▼「 子どもはちょっと見てもかわいいけど、できるものなら一日、朝か ら晩までじっと見ていたい」と願っていた。子どもへの深い愛があ ったから本は子どもに愛された。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.10.19 16:51:48
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