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カテゴリ:BOOK
先日、銀座にあるINAX:GINZAで行われている展覧会「舟小屋 -風土とかたち- 展」の対談「水辺の原風景を辿る -舟小屋の暮らしと歴史-」へ行ってきました。写真を見ながら水辺の生活に詳しいお二人のお話を聴かせていただきました。
その昔は船大工が造り始めた舟小屋の作りも非常に興味深いものでしたが、水辺の集落の成り立ちが、農業がしやすい平野でなく、舟に乗って移住してきた海の民の歴史だったことにとても興味を感じました。 対談の話の中に「宮本常一」という名が何度も出てきていました。水辺の暮らしを訪ね歩いたというこの人の名前は、カヤック関係の知り合いの方から何度も聞いていて、ずっと気になっていたこともあり、まずは3冊注文してみました。(恥ずかしながら、ごく最近まで全く知りませんでした。どんなスゴイ人なのか・・・)まだ届いていませんが、読むのがちょっと楽しみです。 対談の最後には、さすがに研究者のお二人らしく、このような歴史的文化遺産でもある「舟小屋」の形がどんどん失われていく現実をとても危惧しておられました。そして文化財指定とか世界遺産とかでもいいから何とか保存継承していくことはできないものかと切々とお話されていました。 私はお話の中で唯一この部分には正直少し違和感を覚えました。集落の形を文化財指定して未来に残すことも非常に重要なこととは思うのですが、その暮らしの形の中に宿っているスピリットの成り立ちがどのようなもので、それが人々にどのような恩恵、そして生きていく厳しさを教えてきたのか、そのようなことを学ばせてくれるものとして継承されていく道はないものでしょうか。。。 海の民の移動の歴史。 集落の成り立ちや暮らしの形には、古くまで遡れば古代縄文人がどのように日本に伝播してきたかの記憶をとどめているものかも知れません。 先日のホクレア号日本航海での横浜寄航に少し触れてみて、3冊の本を読んでみたのですが、そこに書かれていた様々なことが、日本海の舟小屋の歴史のような話にも繋がっているような気がしてなりません。 ナイノア・トンプソンは「ホクレアが日本へ行く意味は何か」と日本へ問いかけ、「目的が定まればカヌーは着く」と言ったといいます。日本航海という「形」のプロジェクト実現ではなく、まさしく日本人が自らを導く「ナビゲーター」「ウェイ・ファインダー」となることが望まれているように私も感じます。国政選挙で日本のリーダーが誰になるのかも、もちろん気になりますが、代表者を選ぶよりも私たちがどんな「道」を探し選んでいくのかが問題です。 う~ん、考えてみても結論が出るような話ではないのですが、私の中で何か一つの筋のようなものを感じ始めています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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