ガスケットの製作
スピーカーユニットとエンクロージャーの間に空気漏れがあると、効率が下がり、特性も悪くなってしまうので、ガスケットの働きは重要ですが、ガスケットには、もう一つ、スピーカーユニットとバッフルの機械的結合という重要な役目があります。バイオリン等のチューニングをする方はお分かりの様に、駒や魂柱と表板裏板の関係の様に、振動体と接合面との結合の度合いで、出てくる音が全く違ってくるのですが、スピーカーの設計や製造技術の現場では、この辺の事は全く考慮されていなかったり、エンクロージャーは、出来るだけ高剛性化と無共振化するべきなどという、とんでもない誤解があった様に思われます。エネルギー不滅の法則からも、一度発生した振動エネルギーは、発熱変換等のエネルギー変換がない限りここまでは振動して、ここからは無振動で等と云う事は絶対にあり得ません。昔流行った高剛性超重量アナログプレーヤーの中には、高剛性と超重量化によって、不要振動の問題が解決出来るだろうとして作られた物がありましたが、その結果は大変悲惨なものでした。物事の一点だけを見つめて考える技術者や科学者は、正に木を見て森を見ずの如しの様に思えます。ガスケットの製作ですが、材料にはゴム系やビニール系ではなく、コルクを選びました