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2005年08月14日
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 大勢は、すでに決していた。栗田中将の艦隊が反転しなくても、すでに世界最強の機動部隊と化していたハルゼーの高速空母機動部隊は維持された。連合艦隊の終焉は、いずれ来ただろう。ハルゼーの波状攻撃によって、接近途上で、すでに武蔵も失われていた。しかし、スプルアンス提督の最新鋭の戦艦部隊と、真珠湾の海底からよみがえったキンケードの戦艦部隊、マッカーサーの率いる陸軍は、この時点で無傷に近い大和や長門、陸奥、そして金剛や榛名、更に多くの巡洋艦部隊と正面から撃ち合って壊滅していたはずである。講和の道が開けたかもしれない。

 この連合艦隊最後の決戦には、謎が多い。
 志摩艦隊、西村艦隊、小沢艦隊、栗田艦隊という、連合艦隊の総力をあげた4つの艦隊が、それぞれ別方向からフィリピンのレイテ湾へ突入を図り、集結していた米軍を一掃しようと計ったのが、この最後の決戦である。
 レイテにはキンケード提督とスプルアンス提督の戦闘艦部隊、ハルゼー提督の高速空母機動部隊、それから重巡洋艦ナウシュビルに座乗したマッカーサーの率いる無数の輸送艦に乗った海兵隊や陸軍が集結していた。

 小沢中将の空母機動部隊は、船の数こそ揃っていたが、高速を維持できる艦はすでに少なかった。肝心の艦載機も、すでに着艦もままならない若年兵ばかりで占められていた。帝国の艦載機の攻撃力は、ほとんど壊滅状況だったのである。
 その小沢艦隊が囮となって、敵の海上戦闘力の主力であるハルゼーを北上させた作戦は見事に成功していたのだが、なぜか、「われ敵艦載機の攻撃を受けつつあり」という、その作戦成功を知らせる電文は、栗田中将の元には届いていなかった。彼はハルゼーの高速機動部隊が背後に居るものと信じて、夜明け前のレイテ湾突入を断念し、目前で反転したのである。
 そして居もしないハルゼーを追って無駄な時間を費やし、この作戦を失敗に導くのである。艦隊主力は生き延びたが、志摩艦隊も、西村艦隊も、小沢艦隊も壊滅して、事実上、連合艦隊の終焉を招いてしまう。

 栗田艦隊の先鋒が、すでにスプルアンスやキンケードの空母群と接触していたのは確かである。空母セイント・ローは特攻機によって沈んだようだが、空母ガンビア・ベイが大和の遠距離主砲で沈んだのか、高速戦艦金剛の攻撃で沈んだのか、手記によってまちまちであった記憶がある。
 逃亡中の敵の空母群の多くが、接近していた帝国駆逐艦の攻撃によって、すでに穴だらけになっていたのは確かだが、彼らが装甲をもたなかったことと、至近距離であったため、被害は貫通銃創のみで済んでいたと言われる。
 駆逐艦や巡洋艦の撃ち出す徹甲弾は空母の内部では爆発せず、穴をあけるだけだった。栗田中将の反転命令によって、無数の小型空母が地獄行きを免れたのである。駆逐艦雪風の艦長だったか陽炎の艦長だったか忘れたが、反転を復唱したあと、頭から湯気を出しながら艦尾まで長距離を走って、討ちもらした敵艦を指差して悔し涙を流していたという。
 
 大和の戦闘詳報を、防衛庁まで出向いてコピーしてきた物好きなやつがいて、その部分を読んだことがある。ほとんど内容は忘れてしまったが、あれは後日の、つじつま合わせであるように思えた。真相は闇なのだ。
 しかし、もしマッカーサーを仕留め、上陸準備の陸軍を壊滅させていたら、どうなっただろう。さらに、特攻という無駄なパイロット消耗の作戦が中止され、航空兵力の温存がなされていたらどうなっただろう。そしてフィリピンでの連合軍の二度目の敗北の後、そこでもし講和が成立しなかったら、どうなっただろう。

 フィリピンでマッカーサーを泳がせていたら、戦後の日本の子供達は学校給食にありつけずに、大勢が餓死しただろう。
 そんなことより、そもそも米国の帝国本土空襲開始は著しく遅れることになる。
 米軍は30万の若い兵士の犠牲ではなく、300万の若者を犠牲にして、硫黄島に橋頭堡を築くしかなかったはずだ。
 そして数百機ではなく数千機のB29の損害のもとに、日本の諸都市を灰にしていただろう。核攻撃を受けた都市も2つではなく、主要な都市は、ことごとく核攻撃を受けたであろう。帝国本土の死傷者は数百万ではなくて、数千万、つまり国民の過半数に上ったはずだ。降伏など、誰も考えなくなっていたはずである。

 北海道はソ連に蹂躙され、四国も米軍の初期侵攻に会い、竹やりの自殺突撃戦で、住民は無意味に玉砕しただろう。大量虐殺者とならざるを得ない米軍兵士も、犯罪者的性格の人はともかく、普通のまっとうなの人は、精神に異常をきたしただろう。
 大陸にいた陸軍の主力関東軍は本土に投入され、昭和24年頃、戦争はまだ続いていた可能性がある。
 しかし天皇の命令も、末端には届かなくなる。座して滅亡を待つよりは、刺し違えることを誰もが考えたはずだ。すでに十分な量の濃縮ウランとトリウムが、何隻ものUボートの英雄的な努力で、過去に届いていたからである。
 しかし地下で作るメッサーシュミット社のジェット式防空戦闘機や、B29を一撃で落とせる30ミリ機関砲を装備した高高度局地戦闘機の辰電も、すでに燃料が無い。各地の地下壕の中では、食料難で飢えて死ぬ人が、原爆症で死んだり、敵機にやられる人よりも多くなってくる。

 この時点で、数隻残っていたイ400クラスの潜水空母部隊が最後の反撃に出たと予想される。普通のイ号潜水艦に設置された回天だけでなく、竜クラスの自殺潜水艦も、一斉に出撃しただろう。
 彼らは片道特攻で、米国本土の海岸沿いや内陸部にあるいくつかの主要都市を、文字通り灰にした後、母艦は乗員とともに自沈したはずである。
 戦争は本土にいた日本人を文字通り絶滅させるまで続き、1千万以上の米国人の命を奪って終焉していただろう。そして戦後の数十年で、さらに数千万の米国人が、被爆市民も従軍兵士も、死の灰の後遺症に苦しみ、次々と亡くなっていったはずである。

 日本人は北海道自治共和国という少数民族の国となって、放射能に苦しめられながら細々とロシア人社会の間に生き残り、ソビエト社会主義共和国連邦が、世界の盟主として君臨しただろう。





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最終更新日  2005年08月14日 20時51分01秒
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