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2006年11月07日
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カテゴリ:哲学研究室
私たちは、人間がこしらえた庭園に囲まれて暮らしている。人間が関わった諸々のバーチャルなナニカ、それらはことごとく仮置きされた庭なのだ。庭は人生のあらゆる場面に入り込んで、私たちのこころをがんじがらめにしている。

 ところがこれらのものは、ことごとく、形に過ぎない「こころの」ものなので、いわゆる科学的観察の対象とはならない。庭の領域が、囲われた土地だけとは限らないのである。借景も、風土の持つ独特の形も含んでいる場合がある。
 独自のモノサシがなく、合目的な対象化に馴染まないものなので、視野からするりとはみ出てしまうのである。UFOとか、幽霊とかを考えてもらってもいい。

 庭園は、このバーチャルなナニカで出来ているのだが、これを現実の本質的部分にすぎないものだと、言わば形而上学的な支点だとして論議の対象に載せる。そうすることで私たちのこころの操作が技術的に出来るようになるのだが、これが実はどういうことを行っているのかは真剣に顧慮されることが出来ない。視野からはみ出たものは、もともと一切顧慮していないからである。疎外された人間は、バーチャルな幽体となってさまようしかないのだ。

 バーチャルにはもともと「現実」という意味が「仮置き」されて含まれている。これをバーチャル・リアリティとやることで、この「矛盾を内部に含んだような現象」が生じてくる。「現実」に風穴があいて、伝統的な形而上学の難問が、科学技術のまな板に載ってしまうのである。
 それでも万人が納得する解答が出れば、それでよい。ライプニッツの構想したデーターベースが世界を覆い、全ては宇宙巡洋艦エンタープライズのホロデッキ上の出来事だとしてシュミレート可能となる。しかし、想定外の事柄は、窮地に追い込まれた当人以外は、いつまでも顧慮されることもないのだ。
 
写真は過去にまき捨てたワイルドフラワー類。何が咲くか楽しみ。





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最終更新日  2006年11月07日 12時17分31秒
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