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2007年11月22日
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カテゴリ:哲学研究室
 では、どこにあるのか。
 そして純粋統覚や、カテゴリー化された時間図式、オブジェクト・クラスの構成力でないとしたら、夢は何をどこで目配せしているのか。
 夢の時間は未来からではなく、どうやら過去から来ている。したがってそれらを導いているのは先験的な仮像ではなくて、この仮像が産み出した弁証論の方なのだ。明確な悟性図式が導いているのではなくて、弁証論が夢を主導していると考えていいのではあるまいか。
 だから夢に先験的な意味はなく、同時にウエットなその場限りの奥深い意味が溢れ消えていくのである。明確な悟性の手引きがないので、時間手順を失って、消えていくだけの意味である。(意味は反復して立ち現われるということだと、ここでわかる)

 この反省は、意味と時間手順というものを少しは明るくするだろう。
 それと同時に、夢に先験的な意味を見出そうとする様様な学説にも、異議申し立てすることになるだろう。夢の能を求める旅は、空しい推論、弁証論に行き着いてしまったのである。
 夢は弁証論を目配せしている。その仮像の実体が無い働きが、夢の有象無象を主導して支えているのである。

 数々の偉い先生方が手がけたにも関わらず、夢が学術的対象となるには程遠い現実であった理由が、ここにあると思う。
 空しい推論を対象にして、どんな心理学的考察が可能だろう。そこにはしかも悟性判断の基準となる諸カテゴリーの明確な時間図式が適応できない。そこには人のこころを形成する時間の秘密に関する構想力の基礎的な働きがあるのではなくて、むしろ想像力の秘密があるにすぎないのだ。
 カントの言う、悟性的には空しい推論となる、弁証論が支える想像力である。しかしこの想像力は無数の有益な有象無象を生み出してきた張本人でもある。





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最終更新日  2007年11月22日 12時20分52秒
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