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この素晴らしい政治制度も、過去を忘れる都合よい道具として利用されてきた。
戦後の日本人は、帝国時代の都合悪いことも、ことごとく忘れてしまったようである。 戦勝で生まれた国ではなく、敗戦で生まれた国であるから当然だろう。しかし周辺諸国は忘れてはくれない。小さくまとまった敗者の核に居た連中が、あの島はもともとおれんちだ、といっても、勝者や勝者意識で分離独立を果たした連中は、そんな帝国時代の権利を認めはしない。 北方領土なども、占領し実行支配してきたのだから返す筋合いはないと考えているようである。返す方がメリットあると認識されないかぎり、戦争なしにそれを取り返すのは不可能だと思う。しかしロシアや中国相手に今、戦争したら、日本は30分で国土自体が蒸発するほど、軍事的には卑小な存在である。 ロシアにとって日本は、経済力は馬鹿でかくても米国傀儡の一部自治州に過ぎない。自分の意志で戦争もできない状態の国だから、ボスの米国が言ってこない限り、下っ走りが言う領土要求などには耳を貸す必要も感じないのである。 韓国や台湾、中国にとっても同じである。北朝鮮もそうだろう。米国とは交渉するが、日本とは話し合い自体が無駄だと思っているはずである。自分たちの置かれた状況すらわきまえていない連中が、話し合いを求めてくるだけ不愉快であるはずだ。 私どもは、まず自分が惨めな敗者であり、勝利者の慈悲にすがって生き延びて来たという原点から、思い出す必要がある。 その上で、何と何が本当に生き延びるのに必要なものか、天秤にかけていくしたたかさが必要だろう。他国に不快な要求を突きつけることは、最後通牒なくとも、戦争を仕掛けているのであるという自覚が要る。 いつも言っているが、未だに1隻の駆逐艦も持てず、1機の爆撃機も持てない。イージス艦などというものは単に情報収集指揮艦にすぎない。敵主力艦を沈める手段を持たず、戦闘機も最新のものは売ってもらえず、古いやつも敵基地を爆撃する照準装置すら外されている。 こんな状態で、最近は派兵だの給油だのと有頂天になり、連日北朝鮮に喧嘩を吹っかけている。お前が先に他国民を拉致するという悪事を働いたのだからその悪事を自白せよというわけだが、ある日突然に米国も中国も、韓国さえ手を引き、この売られた喧嘩には一切介入しないと言われたら、どうするつもりだろう。相手は核装備しているのに、こちらは攻撃機さえ持てない。 過去を忘れてはいけない。 北朝鮮をあんな状態で放置し、八路軍に捕まった山賊の手に委ねてしまったのは帝国である。だからといって、戦後の日本に責任がないとは言えない。更に、ソ連傀儡だった北朝鮮が日本の領土内で工作をすすめ、拉致者を密かに連れ帰るようなことを許していたのも、戦後の日本の公安当局である。 更に、和平条約のない戦争中の国があるのに、それすら忘れてしまっていたノーテンキな国民なのである。拉致被害者を見捨てていたのは政府関係者だけではない。国民のほとんどが、他人の叫びに耳を貸さず、見捨てていたのである。 現在でも、戦争が多くの国家存続の基礎にあるのに、平和平和と浮かれて嘯く国民なのである。だからといって、奥深い謀略も下準備も無い、意図もしない戦争をしてはいけない。戦争は、他国を支配しようとする謀略と、窮鼠猫を噛む思慮の浅い戦術行動で起こる。 8月15日は敗戦記念日である。肉親の無残な死体や一面の焼土を前に、耐え難きを耐え、しのびがたきをしのんでも、呆然と佇んだ過去をこそ思い出す日である。 これを終戦と言い換えて誤魔化しているかぎり、私どもの小さな国の将来は、決して明るくない。 写真はスイカの被害状況。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月03日 12時17分42秒
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