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2009年01月05日
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カテゴリ:哲学研究室
 社会は独自の大きな庭を持ち、個人は小さな庭を持つ。
 それらは社会が大きな時間手順で動いていることを意味し、個々人が小さな時間手順で自らのこころを形成していることを意味するのだが、そういった事ごとは文明社会では全部隠されてきた。
 そして「隠されたこのことが、文明を意味した」ということである。単純に言えば、原始で、野蛮なこころは、文明と言う理念のもとに意図的に隠されたのである。それをプラトニズムだと、小生は主張しているわけである。

 但し、もちろん、小生のこの論述もプラトニズムの形式を利用している。そうでないと、人々の注意を喚起することはおろか、自らのメが見ようとしている事柄を掌握することもできない。形而上学的な意味での「贋金という眼鏡」なしに、一歩も先へは進めないのである。
 しかし常に、その贋金の提示が、文明の提示をも意味する。贋金という眼鏡が、こころの庭を、おおきいのも小さいのも、ことごとく疎外するのである。

 だから建前で語り合いましょう、といったのが、庭を立てることで国土を立てた、私どものご先祖である。今や風前の灯と化している、能文化の伝統である。幽玄な世界に立っている足元を常に思い起こし、庭として立っている事柄を語り伝える、世界の標準とはおよそ逆立ちしたような(過去の)文化である。
 ここにはプラトニズムは無い。
 明確なイデアの導きも、こころを躍らせてくれるvisioもない。
 薄暗くて幽玄、かつ無味乾燥に近い詫びた世界が広がっているだけである。但しそれは、こころの、世界である。


写真は惨めなハクサイの世界。





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最終更新日  2009年01月05日 12時14分30秒
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