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カテゴリ:哲学研究室
だから明治期の人々は、華やかな欧米のプラトニズムに憧れ、この過去の文化を捨てた。
わずかに膠着語が残っているのだが、それも英語に乗り換えてしまおうと画策している人々さえ存在する。文明への憧れは断ち切り難いようだ。 しかしこの文明という名のプラトニズムが、今世界中で起こっている人間疎外の本当の原因だとしたら、どうだろう。 世界中の賢い人々が考えているのは、まるで逆である。 彼らは文明の恩恵に浴さぬ粗悪な伝統や文化が、人々のこころを蝕み、病苦や貧困を引き起こしていると考えている。文明化を推進することで、野蛮な人々は悲惨な生活から逃れ、文明的で豊かな暮らしが出来るのだと言って来たのである。 文明の手先と接触するだけで、アステカは滅亡し、アマゾンの無数の部族は崩壊して消えたというのに。 建国からこのかた、中国文明という、隣接する途方もない巨大な力を常に感じてきた日本の場合、西洋文明には、いわば免疫が未だあった。それが齎した技術の考え方と力のたくわえかたには目を見張らせるものであったが、和魂をなくすことは、自らの滅亡に繋がることにも気がついていた。 しかし和魂が洋風に言うと何であるのか、誰もわからなかったのである。そして洋才を利用して巨大な中国を併呑にかかり、その過程でいつのまにか、もとの和魂も、わからなくなってしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月06日 12時10分14秒
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