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2010年01月18日
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カテゴリ:哲学研究室
西洋の人々は、この史観を追及してきた。
 何が見えているのか、それが史観であることを自覚しないままに、問いただし、より分け、整理し、堅固なものにしてきた。
 唯一の神が与えたもうた、善なる世界の史観を、である。

 その堅固な社会に参加したくて、自らのユダという血筋の信仰を捨て、いわば外れ者の視点で西欧社会をやぶにらみした哲学者にとって、自らの視界を与えてくれているカネというモノの姿は、とんでもない化け物に見えたのであろう。
 彼が憧れた社会の人々は宗派の信仰や伝統の権威やに従っているのではなく、カネの持つ仲介力に従っていることに気がついた。そのカネが人々の社会規範となり、欲望の指標となり、社会の仕組みそのものを構築する基礎となっていた。

 下賎な職業とみなされていた金貸しは、結果的に国や世界を牛耳る力を得ることができることをも、彼は確認していた。
 ブルジョワ社会の仲間入りを果たし、この社会に恩返しをするには、この史観が見せていることの本質を露にし、将来の危険を予測し、なおかつ自らが選民ではないことを証明せねばならなかったのだろう。しかし屈折した彼の心理を図ることは容易ではない。それは西欧社会の頂点を極めて活躍した全てのユダ族に言えることである。

 社会を支える本質はカネという架空のモノではなく、個々の人間の労働という具体的実践であった。
 にもかかわらず、実体の無いカネの仕組みが社会を動かし、人々を搾取していた。
 ユダの人々がいわれの無い迫害を受けるのも、彼らが下賎な金貸し業を営むしかないからである。
 伝統と戒律を見ない唯物論者の彼には、人間の本質が疎外され、仲介のモノに立て組まれて搾取され翻弄される姿が、いたたまれずも、見えていたのだろう。

  * 夏の記憶 実は猫の額で同じ仲間が今咲いている。





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最終更新日  2010年01月18日 12時09分31秒
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