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カテゴリ:政治経済
手を上げるなら、ミッドウエーのころが、すでに潮時だった。
物資は底をつきかけており、南方を確保したのに、ロクに輸送もされていない。 ムダに空母を作るつもりはあっても、高速の大型輸送船を多数作るつもりはなかった。逆に軍隊輸送船に徴用されて、輸送路は細り、国力は低下する一方だった。 戦艦というのは、その国力を食いつぶす頂点の存在なのだが、その自覚が指揮官たちにあっただろうか。むしろ、無用の長物としてしか見えていなかったのではないだろうか。 主力の武蔵を囮に使った、などというのが、まさにその思想を表している。 栗田艦隊の真の任務は、敵の輸送部隊への攻撃である。潜水艦がやるべき仕事を、なんと主力艦隊が請け負っていた。 西村艦隊はまた、明らかに栗田艦隊の突入を容易にするための囮に利用されたのである。 栗田は西村と同時に突入せずに、わざと1回目の反転をやって時間をずらせ、西村艦隊が攻撃を受けてから突入を図った。 牛歩のような戦艦部隊でハルゼーの高速空母群を補足できないことは、もとより承知していた。 敵の空母群に突っ込んだとき、これを鈍足護送空母の群れだとは知らずに、ハルゼーの機動部隊の一部だと思い込んだのに違いない。 即刻攻撃中止して全艦集まれ、と命令しているからである。 この命令に激怒し、反転命令を復唱した後、頭から湯気を出して、長い駆逐艦(全長120m近くあった)の、艦橋から、敵の船尾が見える艦尾まで一気に走った艦長も報告されている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月18日 07時41分30秒
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