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カテゴリ:政治経済
読売の地球を読む、コーナーの国際大学長の意見が気になったので反論してみたい。
この先生は基本的に過去の日本が間違った侵略戦争をやっていたが、今は政治的に正しいので攻撃された側が反撃する権利も持たねばならない、自衛力強化議論は必要、という意見であるようだ。それは、いつかきた道ではないのだと。 小生は、自衛力強化議論は必要という意見には賛成だが、以下にまとめたこの手の意見こそ、いつかきた道だと思う。こんな人々の意見が積み重なって、帝国を破滅させ、今の奴属状態を作ったのだと。 この先生が真剣に考える戦争の道への諸条件は5項目ある。 1:地理的膨張の必要論が出てきて下地をつくる。 2:相手は弱いからという認識が戦争を引き起こす。 3:国際社会の制裁は弱いだろうという認識が戦争を引き起こす。 4:政治側の軍に対する統制の弱さが戦争を招く。 5:言論の自由の欠如が戦争を可能にする。 これに、ことごとく反論してみたい。 1:過去の帝国は地理的膨張したくて大陸に侵略した。今の中共は国家戦略として膨張路線にある。という意見のようだが、違うと思う。 過去の帝国はロシア、ソ連の影に怯えて一所懸命、緩衝地帯作りに精を出していたのである。米国に押さえ込まれてやむなく戦争中の作戦も、資源確保、敵の補給路遮断、自由圏の確保、なのである。 今の中共が精出しているのも、コレである。列島線で、米国に封じ込められたくない。 2:日清戦争も、日露戦争も、そして太平洋戦争も、弱い相手と戦争していない。押さえ込まれて負けそうだから、ネズミがネコにかみついたのである。 満州事変は、1万そこそこの関東軍が自らが作り上げた、傀儡二重スパイの満州王が爆殺され、列強とソ連を呼び込んで支配を確保しようと中国軍が動き始めたので、それに対抗して支配地で起こした自衛戦争なのである。 日華事変という扱いでわかるように、弱い中国に攻め込んだつもりはない。関東州が強大な中国軍に包囲されて攻められ、生き残りをかけて自衛戦争していただけである。 ノモンハン事変も、北進派は確かにそう言って軍を小出しに送り出したが、これは満州防衛の戦争だった。上層部北進派はソ連軍は弱いとする意見があったのかもしれないが、ソ連が弱いと思っていた兵士など、一人も居ない。 つまり、「必ず自衛の名目」で、戦争は起こるのである。 3:満州事変と日華事変のことを言っているようだが、満州は列強に強引に横取りされそうだから、利権防衛確保に動いたのである。 中国本土に小さな軍を駐屯させていたのは、ヤバイ英国とフランスの軍をけん制するためである。結果的に、これを中国軍の対日防衛戦争に利用されてしまった。 4:軍隊というものは、個々人をまかなう政治経済の手足ではなくて、政治経済機構、そのものである。文民で武官を統制する、できる、という思想が、そもそもおかしい。 民主主義は、軍隊という機構に関する限り、必ずファッシズムなのである。 国家が機関として立てー組まれたモノとなり、その自由への意志を実践する道具が軍隊だとなれば、死んで国家に奉仕せよという過去と、なんら変わらない。 そうではなくて、政治とは何か、軍隊とは何か、これがまったく考えられていないから、政治が軍隊を統制したり、軍隊が政治にたてついて主導権を奪った、などという考え方が出てくるのである。軍隊も人、である。 文民統制が必要、なのではなくて、民主主義なのだから、国民の総意として軍隊が動き、軍隊が独自に動くことは許されないという意味だろう。 しかし過去の戦争はいずれも、国民の総意が認めて起きた。 5:現代日本が、言論統制されていないと考えているのだとしたら、とんでもない危険思想だと思う。 過去にはクチコミというモノがあって、言論統制は容易ではなかったが、今はグローバルな各種メディアや国内独自の統制網が整備されている。 インターネットは、もともと個人主義の傾向が強い中国人のメンツを刺激しているようだが、建前主義の日本人は、これでますます言論統制されやすくなっているわけである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月22日 08時51分44秒
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