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カテゴリ:政治経済
打ち合わせた予定のシナリオどおり、場所はニューギニアの珊瑚海。米軍はレキシントンとヨークタウン、二隻で、翔鶴と瑞鶴、二隻の空母を待ち伏せしたのである。帝国の軽空母搭載機は計算に入れて、ほぼ同等の航空勢力なのである。
帝国の機動部隊が全力で進出してきている、などとは、ぜんぜん考えてもいない。その可能性も大きいのに。 米軍側は、正確な帝国艦艇の種別と位置とを、あらかじめ知っていたのである。 戦力的に互角だと知っていて、しかも相手の位置を正確に掴んでいるから、可能な待ち伏せ、なのである。これが六隻を相手だと、どだいムリな相談である。 帝国側も、相手が二隻であることは、消去法で知っていた。 だから六隻揃えて出て行くべきところを、あえて二隻だけにした。 自信過剰だからではない。六隻も出したら、一方的な勝利に終わって、機動部隊の潰し合いができない。 5月8日、米軍の給油艦を空母と見間違ったために、帝国側は混乱し、先に軽空母がやられた。これは米軍の偽装情報戦の最初の勝利である。 次に翔鶴が爆弾2発を受けて落伍。重巡に曳航されて逃げた。 しかしレキシントンも翔鶴隊の魚雷を受けて行動不能になり、のちに自沈。ヨークタウンも瑞鶴隊の爆弾1発をくらって甲板に大穴があき、航空機の発着不能となって戦場を去った。 その前に、九九艦爆隊が、母艦と間違って敵艦に着艦しようとしたり、着艦されかかった方も、間際に初めて、敵だと気が付いて、切り込みに備えろと命令を出したり。もう入り乱れて、むちゃくちゃだったようだ。着艦信号のやりとりが同じだったというが。 レキシントンのレーダーは、20分も前から日本軍の攻撃隊を捉えていたといわれている。しかしこの情報は、情報をつかんでいることの隠蔽工作臭い。 現場兵士の戦闘経験は帝国がはるかに上だったが、あらゆる面での情報把握・諜報活動、そして指揮において、米軍側が、すでに圧倒的な優位に立っていたのである。その絶対優位を確認するための小手調べだったとも言える。 この戦いは引き分けに終わった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月30日 07時33分53秒
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