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2014年04月18日
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カテゴリ:哲学研究室
 さて、イデー(理念)の料理に取り掛かる前に、このアイドルがどうやって、出ー来たか、は、歴史記述して存分に解体して、晒し者にしておかねばならないだろう。
 偽装看板が、いつまでも、生きてのさばっていたのでは目障り、というものである。

 アイドルというのはイデアのドール、つまり理想の人形である。
 生きた人がその役割をすることも多い昨今。ありもしない偽装看板なのであるが、イメージやヴィジョンがのさばる時代には、舞台の主役でもある。
 これを舞台から引き摺り下ろし、機械仕掛けの神に換えて、私どものこころの偽装のさまを、解体していかねばならない。

 汝自身、というのは「人のこころ」のことである。

 しかしこの、こころというのは対象化認識できるものではなく、想定して仮置きできるものでもない。
 つまり、そこに帰納的な権能を見出したり、心理学分析するなどといったことは不可能である。形而上学の導きがなければ、である。

 私自身という形而上学的なカーネルからの指示書があって、それが対象的に論議できると想定して、はじめて心理学は可能となる。
 でなければ、合目的テクノロジーと化して、ニヒリスムスの闇に落ち込むだけである。 これでは、「目的の見えない人身操作の技術追及」と化してしまう。まさに現代米国のそれ。人身操作の目的を隠している。

 汝自身を知れ、ということは、それとは端的に違う。
 人のこころの「偽装の諸々を」暴き出して、特に自分で、「わかる」、ということである。形而上学ではなくて、哲学だ、ということである。

 例えば古代ギリシャではギリシャ悲劇というのが流行していて、これに必ず機械仕掛けの神が出てきた。
 ギリシャ悲劇にはアイドルはおらず、人智ではどうしようもない悲劇が引き起こされるだけ。観客も、オルガンの叫びとともに一緒になって泣き喚いた。
 それを神々しいオルガンのファンファーレとともに機械仕掛けの神が出て行って、すべてを和解させ、人々のカタルーシスを導いていた。

 人身操作の技術追及でも、偽装の神を使ってのバーチャル・リアリティ技術でもない。
 人のこころの偽装の闇を、観客が「自分でわかる」ように見せて、そのこころを自由にしていたのである。






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最終更新日  2014年04月18日 08時02分45秒
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