台風の夜のどしゃぶりがあったので、きっとやられているんだろうとあきらめて、西園を覗く。
　予想通り、だった。

　２番北の花壇は、ゴボウが残っているだけで、植えたばかりの花苗も、咲いていた花も、なんにもない。出ていたアネモネも、大きくなりかけていたアルテアロゼアも。生き残っていたクラスペディアも、メキシカンハットもペチュニアも。
　そういえば苦い苦いチコリもない。
　それだけではなかった。
　隣の聖域の１番もやられていて、大量に採れていたナスの姿が見えない。
　大株になって30株ちかくあったはずだが、１株もない。残っているのは踏み倒されたネギだけ。
　コマツナ、ダイコン２種類、ブロッコリ、キャベツ、結球レタスに、ジャガイモに、かろうじて採れていたキュウリもない。

　ものの見事に、大全滅。
　嗜好が人と違う証拠に、美味いコマツナはいくらか残してあるが、ダイコン葉やナスの葉っぱは１枚も見あたらない。
　しかも１番への侵入路は２番南からで、ハチの巣ができていたノイバラの藪のあたり。
　人は近づけないが、通路ができて、高い位置で網が食い破られている。
　２番南への西隣からの侵入路も、補強してあった網を引き摺り下ろし、やはり高い位置で食い破って、ドデカイ穴が開いていた。

　電柵も雨の夜には無効だし、堅固な網も食い破るし、ハリガネは引きちぎるし、内部からのつっかえ棒も、網を引きずりおろされたのではお手上げ。
　またまた逃げ帰って泣いている。
　最後の砦、４番西のダイコンがまもなくだが、１個も食えなんだら悔しいので、小さいが二本だけ、引っこ抜いてきた。
　予想どおり、今年も敗退。とりわけ、秋茄子最盛期のナス全滅がショック。熱出そう。