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2016年10月19日
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カテゴリ:哲学研究室
 イメージの危険な理由は、それに頼ると現実誤認を生むからである。
 こころが捌いたモノだから誤るはずはない。
 この傲慢な思い込みは、こころのはたらきの再現技術の学である心理学のもろもろの実験事例が、簡単に誤謬だと証明してくれる。
 こころの「自然な認識は、必ず誤る」のである。

 だから、どうしても、誤らない絶対のものを追い求める人が、でてくる。
 今、という眼前の現実が、いちばんいいかげんなモノなのだが、これを偶像どころか、1という認識の統覚にまで偶像化させてしまう人まで、でてくる。
 1というのは、まさに数学で、先験的総合判断の結末である。
 1に由来する、んではなくて、先験的総合判断で帰結、させたのである。
 つまり共有のモノとして、統覚をカルト化しようとした。

 何をカルト化したのか、というと、対象的認識の権能を、である。
 時間・空間のものを、誤謬して認識している人の対象化認識の権能を、イメージ立てて偶像化し、共有の現実のモノに仕立てた(予定立てた)のである。
 だから、偶像に取り付かれた人、カルトに包囲された人は、必ず未来を語ってしまう。

 眼前の今を語るといいながら、実際に語っているのは、ありもせん未来である。
 ハイデガー風に言うと、未だ未到来の時熟、というやつ。
 対象認識で見据えようとしているのは存在者の存在(神)、なのだが、それは未だ無く、すでに無い、ということになる。
 あの傲慢なイディッシュ人(アシュケナージ)たちですら、眼前の今の現実は78%だ、と正直に告白する。

 偶像崇拝を避けたユダヤ教は、現実と直面しようとする宗教であるから、カルトではない。
 そのかわり、バビロン・タルムードで、レビの詐欺に落ちているのである。
 カトリックなどはもろにカルトで、聖書という予定を語る。
 新教にいたっては、予定に加えて選びまで導入し、現実のカルト化を肯定する。

 現実のカルトを語る際に、本当は悪魔を語っているのだが、聖アウグスチヌスも、そこのところは言葉を濁した。
 彼は予定のかわりに原罪を語り、時間を語ることは騙る事なのだと、これは明確に示した。

 眼前のイメージが仕立てているモノは、常に個々人の直面する現実である。
 これを避けて、ユダたちはレビの詐欺を認め、カトリックは原罪を、現在という時間を前にして常に誤る、という事実を、つまり悪魔的な認識を立てたのである。
 事実(ファクトウム)は、科学技術(スキエンチア)が切り出してきた、悪魔的な認識である。
 現実誤認どころか、現実とは無縁な、うすっぺらい個々の、時間・空間を超越した予定事象、(つまり悪魔)なのである。






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最終更新日  2016年10月19日 06時45分38秒
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