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カテゴリ:哲学研究室
それに囚われて、アルケーを「宇宙の神的・神話的な起原である。」なんて言い出すのが、まさにそれ。
これをアーカイヴ病と言う。 ジャック・デリダという哲学者が、欧米に蔓延しているその病に、気がついた。 人の対象的認識には先験的な誤謬がある。(これはカントの教えで、三村先生の口癖だった) イデアという導きは天上の世界の空想で、人間界では常に先験的に誤る、のである。 だから、自分自身に尋ねて、その誤りを反省することが必要となる。 ソクラテスもプラトンもイデア主義者ではない。 彼らは当時のアテナイで「流行語のイデアに惑わされぬよう」、警告していたにすぎない。 ダイモニオン(悪霊)の語る「否定の声」を聞かねば、反省だとは言えん、のである。 (これはプラトンが記述して伝わったソクラテスの言) アンタ、ダメ。 反省で、悪霊が言うそれを聞けない人は、悪霊が見て取れないし、哲学とは一切無縁である。 日当3オボロスもらってた市会議員のソクラテスは、毎日遊びほうけて論議に堪能して帰宅したら、嫁さんに、門前で頭から水をぶっかけられて、こう、言われていたらしい。 「アンタ、ダメ」 重装歩兵なのでプチブルジョワ階層だったらしい。奴隷を使って搾取もやっていただろうが、稼ぎが悪いので。 当時の生活費は1日2オボロスあれば食っていけたらしいが。 天上のイデアと一体化して硬直病発作でアワ吹いてるときと、えらい違いだった。 ソクラテスはそこで絶対矛盾と自己同一したのではなく、反省したのである。 オイラ確かに、実務はダメ。対話したり格闘技やって遊ぶのがすきなダメ人間、と。 大男なので戦場での人殺しは得意だったし、市議会の論戦で敵を言い負かすことも簡単だった。アテナイで、最も賢い男だというのも広く知られていた。 しかしダイモニオン(悪霊)の語る否定の声を聞いてしまうのは、自分の過去を、その本性をわかる、そのことでもあるのだと、自分で気がついた。 この、「無知な自分自身をわからずして、なんで始源や対象認識がわかるものか」と。 かくして、無知の知(哲学)が生まれた。「自分で、わかること。=自分の無知を知ること。=哲学」 これを殺してはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月15日 06時56分57秒
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