カトリックと言うのは、トップは修道院にいる。
そこで、自分が悪人であったことを自覚してしまい、苦悩する人も多かった。
しかしそんな、ごく一部の高潔な人々を除いて、「詐欺的な姦通者と聖職売買者の集まり」なのである。
下々の教徒たちは、契約書(新・旧の聖書)を詐欺だとは思っていない。
だから信仰の唯一の拠り所として、どうしても聖書に頼る。
逆に、カトリックのトップ連中は全員、それが詐欺だと最初から知っている。
だから原罪が教義になって出てくる。
真摯に改革を求める人は大勢いたが、大概の人が、カトリックに1411年に破門され、火刑にされたヤン・フスのような気の毒なことになった。
全焼の生贄は、モリヤ山でやめたんじゃあ、なかったんかいな。
西洋では日常のように、生きた人を十字架に架けて焼いていた。
1500年頃のルターも、贖宥状の扱いでカトリックに疑問を感じたというが、こちらは本物の悪人。
ヘタ売らずに、巧妙に立ち回った。
捕まらんように逃げ回って、騎士の賛同者を大勢集めて、大勢の農民まで味方に付けた。
彼が聖書をドイツ語に訳して流通してたので、世俗の騎士たちを大勢仲間に付けられたらしい。
「聖書に書かれていないことは認めることができない」というのが、やはり、この修道士生活を否定する男の意見である。
聖書に書かれていない世俗的な部分で、罪には悩まんようにした。
当然のように、カトリックが闇に押し込んでいたユダヤ人を使う政治経済活動や(契約なしの)奴隷制度を攻撃した。
その一方で、農民を扇動して反乱を起こさせておいて、今度は領主階級を使ってそれを鎮圧させ、味方を増やす、という卑劣なやりかたで、悪賢く立ち回る。
彼はやがてカトリックとは別の教会組織のトップに、組織のドンとして君臨した。
ルター派は、原罪に悩むカトリックの苦悩を一切持たないのである。
聖書信仰のみ、法や秩序大好き。
自分で何にも考えない、ガリガリの一神教カルトであると思う。
教祖は特に、教条主義で、自分の罪なんぞは絶対に認めん、タイプだろう。
当然ながら、カトリックの隠し持ってた隠微な部分、ユダヤ人を痛烈に批判したというが。
連中が自分で改宗できんのなら殺してしまえと。
案外,連中の商売を、自分の利権に横取りしたかったんじゃあ?
改宗させるのがムリとわかってからは、皆殺しを目論んだ。
「ユダヤ人と彼らの嘘について」
1.シナゴーグやイェシーバーを、跡形残らず徹底的に焼き払うべし
2.更にユダヤ人の所有する家をも打ち壊し、所有者を田舎に住まわせるべし
3.宗教書を取り上げるべし
4.ラビの伝道を禁じ、従わないようであれば処刑すべし
5.ユダヤ人を撲滅するための方途を穏便に実行すべし
6.高利貸しを禁じ、金銀を悉く没収し、保管すべし
7.ユダヤ人を農奴として働かせるべし
」
といった内容らしい。
エグ。
このユダヤ人が宮廷ユダヤ人かどうかは微妙なところで、たぶん、すでに大勢の裕福な偽ユダヤ人を含んでいるのである。しかし庶民貧民なんぞではないことは、まちがいない。
ルター派は、だから、これ以降、ユダヤ人迫害者、となっていく。
教祖は、ギリシャ語もラテン語も自在にこなす学者なのに、自分たちの聖書のもとが、ユダヤ人のミシュナーからつくりあげたものなんぞだとは、金輪際思っていないのである。
学識の高い彼は、たぶん、すべて知っていたのだが。
自分の持つそれが、奴隷のこころの寄り処、アッシリアの存在者神のものだと。
その部分では一切、悩まんかった。
ルターはユダヤ人を解放したかったのではない。
自分の信仰し帰依する、一神の奴隷、としたかっただけ。
カトリック組織の奴隷みたいなユダヤ人が、ぜんぜん乗ってこないので、ハラ立ててた。