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2019年08月19日
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カテゴリ:哲学研究室

  明るい未来は見えてこない。
 人(ダス・マン)という時間・空間の対象認識形式には、もともと過去認識しか、ないのだからだ。
 未来は、無責任形而上学を立てて、予定したり企画したり、想定するしかないのである。


 ハイデガー先生は、過去も、すでにない、と述べた。
 だが、先生の立ち位置は微妙なのである。
 今という共有存在の場を日常させて、そこに立っているのだから。
 だが、それを対象認識している哲学の立ち位置は、モノホン哲学の基礎的存在論なのでエク・ジステンチアル(脱ー存論的)である。


 共有存在の目的がニヒルな彼岸に落ち込んでいて、見えていないので、こうなってしまう。
 その目的をクラス化するのは感性。
 なので、隠れたトゥーレ思想(ナチズムのこと)に先生を導いた過去が、必ずある、はずなんだが。


 ハイデガー先生のようなダー・ザイン(現存在=人間(メンシェン))論議は、過去の目的が隠れたまま脱ー存して、此処、という時空無視の空虚な瞬間に立つ。
 ダー、という居場所(オルト)を瞬間立てる。

 つまり無の彼岸に孤立して立たされる、のである。
 脱ー存する。

 人と人の間の、空虚な無の空間に時間化させられる。
 それで、彼岸、なのである。

 それに対し、日常にある対象認識論議は、常に過去へと怠落して墜ちた時間だ、というわけである。
 ハイデガー先生は、脱存(エク・ジステンツ)を日常論議だとは捉えていない。
 これを日常の祈りにしてしまうのはヤスパース先生の方だろう。

 隠れたトゥーレ思想については、ヘルダリンやトラークルのポイエシスを語るのみで、ハイデガー先生は自分の詩については、あまり語らない、ように思う。
 哲学者は常に、詩人に殺される立場なので、語りようが無いのかも。


 そういえばオイラも、哲学の世界に片足を踏み込んで以降、詩の世界から追放された。
 超簡単に言うと、ミューズに見放された。

 哲学が相手に出来るのは過去だけだし、今(ダー)という此処も、虚無でなければ対象化認識する一瞬前には、すでにない過去のモノ。
 未来というのは、スカラー化した黒体風呂敷包み時間で見えてくるモノではなくて、予定したり企画したり、想定するしかないのである。

 ポイエシスの以前には、未だ、無い。
 時間・空間の現実世界には、未来は、そんな「無の形式」でしか、ない。

 ただ、ここで、未来もまた、(目的が投企した)未到来の時間・空間であることを忘れたら、不具合だらけになるのだ。

 そうなってしまっているのである。
 ハイデガー先生はちゃんと、未来は未だ無い、と言っているのに聞く耳持たない。

 自分がわからんままに、みんながみんな未来志向となった。
 特定の共有目的のみを念頭に置いて、詩人の意見にのみ耳を貸して、哲学者をひたすら殺すので。

 純粋経験、純粋現象、純粋宇宙、果ては自然といった、無の規格を対象化認識の土俵に据えてしまい、自分が、人という、有限な生き物の時間・空間であることすら、忘れてしまうので。

 今やAI同然の光の精神なるものと化して、5次元を目指すんだと。
 米国風ユダヤ教は、ホンマに馬鹿馬鹿しいの一語(一期)に尽きる。






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最終更新日  2019年08月19日 12時11分30秒
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