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テーマ:たわごと(26887)
カテゴリ:春乃の昔の恋愛
『自立して生きる方法を、今から考えて欲しい。
夫婦だからといっても、頼らないで欲しいから。』 『人は一人で生きていけるように 女性でも いつでも自立できる心構えが必要だよ。』 彼は優しくそう言った。 彼は、突き放すようにそう言った。 どちらの言い方にせよ、私にとっては心に重くのしかかった。 新婚早々言った彼の言葉は、これだった。。。 私にはとてつもなく重く、切なく、やり切れない内容。。。 今まで一人暮らしをしていて、自立は出来ていたつもりだけど 一人暮らしが長かったからこそ 一緒に居ることの意味があり喜びがあったのに。。。 身も心もすっと一緒に居てくれる人を見つけたいと思っていたのに 自立しなさいと彼は言った。 頼るという言葉の意味が食い違っていたのだろうか。。。 精神的にサポートして欲しかっただけなのに。 そして、お互いを求め合って 助け合って 寄り添って生きていかれたら、 それだけでいいのに。。。 私の考えは 甘いのかなぁ。。。 彼の考えが正しい? わからなくなる その頃の自分。 彼の母も私にそう言った。 「今の夫婦にはどちらに寄りかかるとか 役割なんて無いから 二人でしっかり働いて、一人一人がしっかり精神的にも自立して それで家庭を築きなさい。」 彼には一家の大黒柱になるごとく、しっかりと家庭を守って欲しかった。 少なくとも、子供が出来たら二人を寛大になにもかも包容して欲しかった。 「春乃さん、何をおっしゃっているんですか。 今は一家の大黒柱なんて居ませんよ。 お互いにしっかりして 頼らないで生きていかないとね。」 うっすら笑いながらそう言ったあの顔も忘れられない。。。 私は、末っ子甘えっ子。 誰かに寄りかかって生きて行きたかったのに。。。 人一倍の寂しがりやさん。 誰かを頼って生きたかったのに。。。 頼るって、子供じゃないんだから。 おんぶに抱っこで何もかも彼、彼、彼。。。そういう意味じゃない。 やっぱりどこかで食い違っていた。。。 でも、それはしないでくれって はっきりそう言われたの。 歳をとったらもっと自立していかないとねって。 誰もあなたを助けてはくれないからねって。。。 意味が理解できなかった。。。 新婚だけど、歳をとったらってそんなことも今考えるの? ずっと頼りにできないままで、一人で暮らしていくの? 一緒に家にいるのに? だから、結婚してから いつでも孤独を感じていた。 結婚してから 何でも一人でやっていた。 自分の事だけじゃなくって、彼の分もやっていた。 彼は何にもしない人。 自分の言葉は忘れているの? それは、私だけに当てはまる言葉にするの? 自立ってなあに?? お給料も、二人合わせてやっと生活できたあの頃だった。 決して余裕もなかったから さりげなく。。実家にお願いしてたの。。。 彼はもちろんそれも知らない。 家事だって、何もしない人。 掃除や洗濯はもちろん、料理も何にもしない人。 仕事から早く帰るのが私だったから 先にする立場になったけど、 ある時、忘れもしない、こんなことがあった。。。 初めて新聞のゴミを出すように彼にお願いしたら、こう言った。 「僕が2階のベランダからこれを投げるから、下で受け取ってね」 その頃 アパートの2階に住んでいたから、 重いもの持って階段を下りるのも 億劫だったに違いない。。。 それとも ゴミを出した経験がないのか。。。 「ええ~~。。。」 私は絶句。(-_-; そんなことがいまだかつて行われたことがあるだろうか。。。 3階に住んでいたら 3階から 5階に住んでいたら 5階から投げるのだろうか。。。 下で受け止めろって?本気か、この人。。。 嫌がる私を無視して 彼は2階から身を乗り出して 下に投げた。 大きな新聞紙の束を、ベランダから!! ドサ!! 鈍く嫌な音だけが耳の奥に残った。。。 そして紐がずれて 崩れた新聞の束を私は縛りなおし、ゴミ置き場まで運んだの。 一緒に居ても 全く孤独な私は 仕事に行くときが一番嬉しかった。。。 そう。それはもちろん 彼と離れられるから。。。 心が少しずつ離れていたのを感じていたから。。。 こんなこともあった。 その頃は、喧嘩もするようになっていた。 また新聞紙の束を下に持って行くようにお願いしたら、 彼の虫のいどころが良くなかったらしい。。。 アパートの前の駐車場に停めてある私の軽自動車。 独身のときに、自分で買った可愛い愛車。 毎日これで、通勤している。。。 その屋根の上に、あの重たい新聞紙の束を落としたの。。。 2階のベランダから そう、思いっきりそこをめがけて。。。!! どさっ!!!!! へこんだよ。。。 私の愛車の屋根も、私の心も。。。。 しっかり傷がつきました。。。 信じられない出来事だったけど、現実に目の前で起こっていた。。。 彼は車も持ったことないし、運転もしない人。。。 車の大切さなんてわからないよね。。。 「自立」 という言葉が恐かったあの頃。 その深い意味が理解できずにいた幼い私だった。 突き放される! そう思わされた あの頃を思い出す。 成田離婚が流行っていた当時の結婚だった。 言うなれば、これも「成田帰り離婚」 一人で居る今のほうがどれほど充実しているでしょう。。。 あの悪夢から解き放たれて 私は今、やっと自立しているかもしれない。。。 何故か悪夢が蘇える。。。 少しずつ書き留めておくことする。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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