枝垂れ梅が咲いた
3年前、妻が鉢植えで買った枝垂れ梅が咲いて、食卓の話題の中心となっている。白梅は、寂しすぎると云って紅梅を選んだが、寒が過ぎたばかりの殺風景な庭にひときわ華やいだ雰囲気を醸している。既に、高さが3メートルを超えて、これ以上伸びないようにしてほしいと云っている。枝垂れ梅は、一定の高さにするとそれ以上伸びずに枝が垂れるから、庭を木障にしないし、他の植生と競合しないメリットがある。*肥大化する木やガーデナーでなければ整枝できない庭木は嫌悪される傾向にあり、最近、庭の銘木を処分する家庭が増えているとガーデナーが嘆いていた。松などは、かつて、家運隆盛の権化であったが、管理費の問題で伐採されている例が多々あり、上昇、肥大、繁殖などの上向き志向は今の世に適応しなくなりつつある。それに引き換え、枝垂れる木は、家運下降の忌木とされていたが、縁起を担ぐ風潮もなくなり、却って、好まれる傾向にある。この枝垂れ梅も、分をわきまえ、愛でる人の心をつかんでいるから、この庭に長く生き残り春を告げる役目を全うするに違いない。