毎度・ありがとうございます。
前回の続きです。
彼女の両親の親友のおじさん
その父親の葬式です。
葬式は、刺すような日差しがクソ暑い中で行われました。
入棺は午後１時３０分の予定。
＊「撮って行け」といわれましたが、写真撮影は控えました。
庭に仮設されたテントで３０人強が座って待っています。
ここは観光地とも離れ、近くに工場などの産業もない
農村地帯の田舎の集落です。
よって、外国人が来ることは、まずない村です。
そんな田舎の葬式に
突如現れたスキンヘッドの外国人が一人。
（田舎でこのヘアスタイルは、ハゲか坊さんだけ）
老若男女、全ての視線が私に注がれたのは、
言うまでもありません。
やはり少し、たじろぐ・・。
彼女の両親の親友のおじさんが
「こいつの家の婿さんだよ、婿さん」
と、茶化したように紹介。
彼女の父親は
「いや、まだ、、別に・・」
というも否定はせず。
テントに座る人々のほとんどは中高年の男性。
会話の中で、外国繋がりからカンボジアの話題。
この国の中高年のほとんどは
戦争を体験しており、北部の場合、
その多くが出兵体験を持っている。
ベトナムがポルポト政権のカンボジアに侵攻した際、
カンボジアに行ったと言う話。
柔らかな笑顔で語られる
戦争の頃の話を聞くと、やはり畏怖を感じる。
その後は、おじさんたちの顔が皆、精悍に映る。
家に入るとベッドの上には、
亡くなられた、老人が横たわっています。
筋肉の硬直と弛緩による体位変形を防ぐためでしょうか？
手足は伸ばした状態で縛られています。
おじさんが顔にかぶせてあった紙をとると
本当に安らかな顔で眠っていました。
昨夜、眠るように逝かれたそうです。
８０歳、この村では大往生と言えるでしょう。
ご冥福をお祈りします。
入棺まで時間があったので
近所にある彼女の母方の祖母の家を訪問。
祖母８４歳
その横に座っているのが彼女
ピンクの服の親子は親戚
少しすると
ドラや太鼓を打ち鳴らす音が響き渡り、
入棺の時間です。
おじさんの家の軒先で
ドラや太鼓やフエが速いテンポで
演奏されていました。
故人が親戚一同に抱えられて、
皆で大騒ぎのようにして入棺します。
入棺の儀式は、
親族が故人の慕い入棺を阻むような
格好で大騒ぎをし、ベッドから棺に移されます。
女性や孫達が泣き叫んでいました。
入棺が済んでからも
棺に縋って同じテンポで泣き叫び続けます。
（やはり、これも故人の冥福を祈る儀式のうちでしょうか？）
故人の使っていた寝具などが分解され
部屋から運び出されます。
燃やすのだそうです。
ハノイで用事があった私達は、
ここで式場を後にしました。
