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テーマ:自分を生かすキャリア(71)
カテゴリ:カテゴリ未分類
『自分の仕事をつくる』(晶文社)の著書である西村佳哲さんにインタビューした。
この本は、アウトドアウェア、インテリア、ファッション、建築、サーフボード、雑誌、広告、パンなど、さまざまな「ものづくり」に携わる人々へのインタビューを通じて、彼らのワークスタイルとライフスタイルを探求する試みである。 仕事とは何か、働くことの意味とは? そんな根っこを掴み取るような言葉で溢れている。相手から核になる言葉を引き出すインタビュアーとしての冴え、そして、アフォリズムというか、詩のように美しく、深みのある地の文に唸らされた。 ライターおよびインタビュアーとしての初めての仕事をまとめた本とは、とても思えない。もとは美大出身のデザイナーで、建築設計のほか、ウェブサイトやデザインプロジェクトの展示物の企画・制作を手がけてきた人物。この本の肩書きは、「働き方研究家」である。 「料理研究家と一緒です。素人代表だけど、研究家と名乗るからには、ちゃんと責任をもって発言しますという姿勢ですね」と話す。 インタビューの間、西村さんは、「掘り下げる」という言葉をよく使った。なにごとも、上っ面を撫でるだけでは満足できない。核心の部分まで掘り下げて考え、自分の言葉で表現しようとする人だと思った。 「この本に登場する人たちの仕事振りには本当に頭が下がるというか、いい加減な自分が恥ずかしくなりますね」と私が言ったら、 「いやあ、ボクだってそうですよ。自分を戒めるために書いたというか……」と言って、顔をくしゃくしゃにして笑った。どちらかというと、クールなハンサム顔なのに、笑った瞬間の「破顔」の無防備な破れ具合に、人の良さがにじみ出ているなあと思った。 インタビューの中でとくに印象に残ったのは、「自分のやりたいこと、できること、やるべきことの“3つの輪”が重なり合った部分」についての話だ。私なりに、ちょっと膨らませて書いてみよう。 この重なり合った部分を自分の仕事にすることができれば、人は幸せになれる。 「やりたいこと」とは、自分の興味のあること、好きなこと。「好きこそものの上手なれ」と言うとおり、好きなことなら寝食を忘れて没頭できる。夢中になれば、誰だって百にひとつか、千にひとつぐらいは、いいものができるかもしれない。 ただし、「好き」と「上手」が必ずしも一致しない場合もある。上手じゃないものは、残念ながら売れない。人に受け入れてもらえない。趣味や、「いつかかなえる夢」のレベルで終わってしまう。 だから、仕事にするには、「やりたいこと」と「できること」が一致していなければ難しい。ある程度の能力が必要だ。もちろん、能力は、本人のやる気次第で、どんどん伸ばすことができる。「やりたいこと」であればこそ、やる気が湧いてくるものだ。 3つめの「やるべきこと」。考えてみるとこれは、なかなか深い命題である。 どんなにやりたくて、しかもできる能力があっても、求められていない仕事は、仕事として成立しない。 求人が極めて少ない仕事に就くのは難しい。また、会社の指示・命令に合う仕事をしなければ、評価を得るのが難しく、昇給や昇進に結びつかない。また、消費者のニーズにマッチしない商品やサービスをつくっても、売れない。 こうした「外圧的」な「やらねばならぬ」のほかに、「内発的」な「やらねばならぬ」もある。 「いま、自分がやらなきゃ、誰がするのだ!」と感じられるような仕事こそ、まさに「天職」と言えるのではないだろうか。また、その仕事をすることに使命感や、生きる意味を見出せたとき、人は「仕事のやりがい」を感ずることができるのではないだろうか。 内発的なものと、外からの呼びかけの呼応とでも言おうか、「やるべきこと」には、そんな深みがあるように思う。 「やりたいこと」=「できること」=「やるべきこと」 この共通部分にこだわり続けるとき、人は「いい仕事」をすることができ、その人にしかない輝きを発することができるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年03月03日 10時03分02秒
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