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「高知に科学博物館をつくる会」では,あるべき科学博物館像として,まず「高知市子ども科学館基本構想書」(平成13年3月)を出発点というか,タタキ台として議論を進めようということになっています.この「子ども科学館」というのは,高知市が当時,宇賀清掃工場の近くに計画していた施設です.小泉内閣の政策により,高知市が当初予定していたらしい財源が確保できなくなり,この科学館構想は着手前に破産してしまいました.
この構想書を今回初めて読ませてもらいました.よく読むと,なかなか良いことも書いてあります.共感できる点も少なくありません.しかし問題点も多々あるように思います. まず,「博物館は研究をする施設である」という視点が欠けています.「欠けている」は言い過ぎかもしれませんが,「研究」という博物館の機能は,もっと明瞭に述べられねばならないと思います. これと根を同じくする問題ですが,「標本の収集,保管」という博物館機能にも,ほとんど触れられていません.第3章にある「施設構成」の項を見ても,標本を貯蔵するためのスペースがありません.これが博物館?と疑問を持ってしまいます. 「科学館」と呼ばれる施設には,さまざまなタイプがあります.しかし少なくとも自然史に関係する分野については,標本の収集保管とそれに関連した調査研究活動がなければ,博物館としてやって行けないでしょう.「子ども科学館構想書」はこのあたりの認識が希薄であると思います. 「高知市子ども科学館」の基本構想書は, http://www.city.kochi.kochi.jp/deeps/20/2006/index.htm からダウンロードできます.65ページもある力作ですが,字数は意外に少なく,全体を概観するのは簡単です. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 28, 2005 03:59:08 PM
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