カテゴリ:経済
毎日新聞の一記事を紹介する。
(引用開始) ■<日銀総裁投資問題>オリックスがまとめ役 村上ファンド 日銀の福井俊彦総裁が村上ファンドに1000万円を投資していた問題で、オリックスが福井氏ら投資家から資金を集めるまとめ役となって村上ファンド傘下の複数の投資組合を事実上、組織していたことが22日、衆院財務金融委員会の福井氏への参考人質疑などで明らかになった。オリックスが集めた資金は、英国領ケイマン諸島にある村上世彰(よしあき)前代表の投資ファンドを経由して運用されていた。オリックスは村上ファンド設立の際、資本金の45%を出資するなど親密な関係にあった。 福井氏が1000万円を投資し、昨年末までに総額1473万円の利益をあげていた契約は、福井氏がオリックスとの間で結んでいたことも判明。資金集めでオリックスと村上ファンドが一体となっていた実態が浮かび上がった。 ■設立時、45%出資 福井氏の提出資料などによると、村上ファンドに投資する投資家は、オリックスがまとめ役(業務執行組合員)を務める投資組合の組合員となる。オリックスは資金を取りまとめて「統合投資組合」を組織し、ケイマン諸島にある「MACジャパンファンド」に出資していた。オリックスは同ファンドから出資金の2%(初年度は3%)の手数料を得ていたという。 MACジャパンファンドは村上ファンドを構成する七つの投資ファンドの一つ。村上前代表が率いる投資アドバイザーの「M&Aコンサルティング」などが日本株への運用などを指示し、収益を上げていた。【川口雅浩】 (毎日新聞) - 6月22日23時9分更新 (引用終わり) 今になって民主盗の松井孝治議員と村上不安奴との関わりが取り沙汰されているが、前にも述べたとおり、もともとこんな形での村上と政治屋の癒着関係は一部の人間の間では最初から話題になっていたのだ。そして、まだまだほじくれば次から次へと息の臭い大物政治屋や罪塊人(財界人)や奸僚(官僚)がぞろぞろと出てくることだろう。松井氏の疑惑は、事件全体の規模と内容の深刻さから言えば末端の末端のチンケなものでしかない。こんな末端の事件が取り沙汰されていることから推察して、東京地検特捜部は村上不安奴への出資者リストをもう入手しているのではないだろうか? 記事によると、オリックスの宮内が村上の系列会社に関与し、村上の顧客集めに一役も二役も買っていたらしい。村上不安奴はオリックスが作ったようなものだから、これはやはり最初から仕組まれていたペテンだったろうと私は思う。本文中に出てくる、MACジャパンファンドが本籍を置いている『ケイマン諸島』は英国の王領地であり、世界的に名の知られたタックス・ヘイヴンだ。税の軽いこの島に本籍を置いたファンドを使った儲け話を、宮内がコネ/カネでつながった政治屋や奸僚に持ちかけて、あぶく銭を儲けさせていたのだろう(かの売国大臣Tも、この島に本拠地を持つ外資系不安奴でぼろ儲けをしていたという噂がある)。選挙対策など権力維持にカネが必要なことは、知り合いに政治屋がいるから理解できないではないが、この連中は本当に節度を知らないどうしようもない連中であることだけは確かなようだ。 さて、今回の村上事件と福井インサイダー疑惑について、経済評論家の山本清治が運営する『クラブ9』というサイトで極めて興味深い分析が行われているので、それを紹介しておこう。 (引用開始) Q&A (2006/6/19) (一)東京市場を覆っていた深い霧・第1幕。 (1)福井日銀総裁が村上ファンドに出資していたという報道を見て、私はこれで日本の株式市場を覆っていた黒い霧が晴れると思った。 (2)検察庁、金融庁が村上ファンドの出資者名簿を公表すれば、福井総裁だけではなく政界、官界、財界から大物の名前が続出する。 (3)村上ファンドとの関係が表面化することを恐れて、福井総裁を含めた村上ファンドの投資家が資金の引き上げに動き、その情報をつかんだ連中が先物市場でカラ売りを仕掛けたと見れば、不可解な株価暴落の背景が見えてくる。 (4)思えば、黒い霧暴落の第1幕は2月のライブドア事件であった。 (5)ライブドアは氷山の一角で、新興市場の多くの企業が投資組合を設立して株価操作の隠れ蓑としていたから、金融庁は投資組合の実態を把握するために出資者の名簿提出を求めた。 (6)投資組合の出資者の中には政界、官界、財界の他に様々な闇資金が混在していたから、彼らは摘発を恐れて一斉に資金を引き揚げた。これが新興市場の大暴落を招いた原因であった。 (7)しかし金融庁は治的圧力を受けて一旦は名簿提出の要求を取り下げた。 (8)そのため新興市場の暴落はひとまず沈静化したが、5月になると暴落が一部市場に飛び火し、ついには全面安に発展した。 (9)第1幕はライブドア等の投資組合、第2幕は村上氏の投資ファンドであった。 (二)東京市場を覆っていた黒い霧・第2幕。 (1)黒い霧暴落の第2幕は村上ファンドの捜査と平行して進行した。 (2)投資組合は短期間に解約できたが、投資ファンドは契約期限まで資金が受け取れない。契約期限は12月が多いという。 (3)福井総裁は2月に1,000万円の解約を申し出て、現在もまだ資金を受け取っていない。それゆえこれから村上ファンドの出資者名簿が続々と表面化する可能性がある。(4)しかし検察庁の捜査は2月のライブドア事件の直後からすでに村上ファンドに飛び火していたのである。 (5)5月に村上ファンドは金融庁と検察庁の追求を逃れるために本社をシンガポールに移した。(6)同時期に村上ファンドの事実上のオーナーであるオリックスは45%の資本出資を解消したと発表した。 (7)村上、宮内両氏が「語るに落ちた」点を推定すれば、オリックスの宮内会長は小泉内閣の各種諮問委員会を代表する大物だから、宮内会長を介して村上ファンドに出資した政、財、官の要人は多数に上った可能性がある。(8)福井総裁が村上氏程度の格下に共鳴したという釈明も不自然で、宮内氏に誘われた可能性もある。結果として宮内氏と福井氏が村上ファンドの信用を補強した可能性もある。 (9)小泉首相が突然重要法案の審議を投げ出し、国会の会期延長を中止した点も不自然である。捜査の進展と共に自民党内から村上ファンドの出資者が続出すると知って、混乱を回避した可能性がある。 (三)福井日銀総裁のどこが問題か。 (1)福井総裁は株主軽視の経営姿勢を正すと主張した村上氏に共鳴して1,000万円を投資したと述べている。 (2)確かに日本のオールドエコノミーの中には巨額の株式や不動産の含み益を蓄積しながら、その含み益を期間利益や配当に反映していない企業が多い。これに対してアメリカの企業は含み益を放置すると買収解体を業とするハゲタカファンドや札束で恐喝するグリーンメーラーの餌食となるから、経営者は先手を打って含み益を積極的に企業買収や自社株買いに投入する。 (3)村上氏は経営者の怠慢を正す正義の味方だと自画自賛したが、現実の手法はグリーンメーラーそのものである。例えば阪神電鉄では52%の絶対多数を握ったのだから自ら社長に就任して志どおりに経営改善を断行できた。にもかかわらず最後まで阪神電鉄に買い戻しを要求したのだから、村上氏が追求したのは恐喝による利益であって、高邁な志は恐喝の手段に過ぎなかった。 (4)アメリカでもグリーンメーラーやハゲタカファンドは文字通りアウトロー(無法者)であって正常な投資家ではない。正統派を代表するウオーレン・バフェット氏は大株主として多くの企業を優良企業に育て上げた。日本でも竹田和平氏が四季報の大株主に登場 すると、それだけで人気を集めるほど投資家の信頼が厚い。長期投資こそ投資家の王道である。 (5)福井総裁ほどのエコノミストに巾着切りの村上氏と長期投資の王道を歩むバフェット氏の区別がつかないはずがない。もし区別がつかなかったとすれば日銀総裁としての見識に重大な欠陥がある。 (6)福井総裁の辞任は当然だろう。(後略) (引用終わり) インサイダー情報によれば、村上が逮捕された直後、各マスコミにはオリックスから電話で「村上事件では会長のことには触れるな」と圧力がかかっていたとか。 いずれにせよ、状況証拠だけを見れば、オリックスの宮内が今回の事件に深く関わっているのはほぼ間違いないだろう。またライブドア事件から福井インサイダー事件までをひとつのストーリーとして見ると、ことの次第がはっきりしてくるように思える。 次回はそのことについて詳しく述べる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.06.26 17:14:05
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