この蒸し暑い中の地元3連戦は、なんと全て逆転勝ち。
こういう試合をしてくれると、今年は146ゲームまで
楽しむことができそうでうれしいかぎり
<23日の結果>
広島3-2阪神
(広島市民)
○黒田
●久保田
神100 001 000=2
広100 000 02X=3
■粘投黒田を援護出来ない展開続くも、8回裏に前田が起死回生の逆転2ラン放
つ。
■黒田は9回12安打2失点完投で12勝目。前田が13号2ランなど4の3。
やっぱり主将や。広島・前田智徳外野手(35)が八回、久保田から起死回生の逆転2ランを放ち、18年ぶりとなる市民球場での阪神戦3連戦3連勝を呼び込んだ。この一撃で、奮投した投手陣の主将・黒田に12勝目をプレゼント。投打のキャプテンがそろい踏みし、市民球場が歓声に包まれた。
絵に描いたような、きれいな逆転勝ちだ。市民球場での対阪神戦3連勝は、88年の開幕カード(4月8~10日)以来、18年ぶり。殊勲の一撃を放ったのは、打撃陣の主将・前田。袖のキャプテンマークがキラリと広島の夜に輝いた。
1点を追う八回無死一塁。真ん中に入ってきた久保田のスライダーを運んだ。「こすったけど、入ると思っていた」。右翼席を突き刺した13号2ランは、試合を決める逆転弾。前田は三塁を回った瞬間に、手を2度たたいて自らを祝福した。
カウント1-3から迷いが一瞬、襲った。「1球様子を見ようとも思った。でも、弱気になっても仕方ない。甘い球が入ってきたんで…」。鋭い眼光を周囲に向けながら、まくし立てるように話し続けた。
「前半戦には見られなかった。ケース打撃などで個人個人にもプレッシャーがあった。そういうプレッシャーがとれてきている。勇気を持ってやれているというか、自信を持ってきている」
ブラウン改革の浸透具合を実感している。今では、その考えを体現できるだけの技量を備えている。キャプテンは、そんなチームの成長に目を細める。
今季、何度も経験してきたお立ち台。しかし、あえて自ら“目標”を掲げることを封印した。「それは悪いけど、言わない。ヒーローインタビューでいらんこと言ったのでやめておく」と苦笑いする。5月23日・オリックス戦のお立ち台。借金2の段階で「貯金宣言」をした後に負けが込んでしまった苦い思い出があった。
「コツコツやっていく。移動日でも気を緩めないようにしたい」。8月末は北海道から九州への長距離遠征が続く。キャプテンの思いは、この3連勝を1つでも伸ばしていくこと。そして、チームをAクラスへ引き上げることしかない。