2010年は、世界を変える「新しい資本主義」の時代です。
【1】
今日、私たちは新たなる経済革命の瀬戸際にいる。「情報の時代」
は終わりを告げ、新たな時代が始まろうとしているのだ。これから
は「意識の高い資本主義」の時代だ。
富が新しい源、従来のように産業からではなく、情報から派生する
ようになったとき、新しい経済の時代が生まれる。その新しい動き
が、やがて人々の仕事に映し出されるようになる。
テクノロジー主導経済の真髄は、絶え間ない革新だ。企業は変化を
起こすことで市場をリードする。ハイテク企業はもちろん、一般消
費財の会社から広告代理店に至るまで、創造性や革新が重要なのだ。
絶えまない革新という、骨が折れるがお金になる目標を企業が達成
するには、人間の「意識」の中に備わる才能の力が必要だ。人間の
「意識」なくしてビジネスやテクノロジーの創造はあり得ないのだ。
【2】
意識とは、静かで客観的な観察をする能力のことだ。複雑な問題に
どっぷり何時間も浸ったまま、忍耐強く考えをめぐらせる天才的技
術者は「今」を生き、意識の領域に存在していると言える。
「意識」は、創造性にとって最も重要な要素であり、心よりも高度
な知性を示す。意識が私たちの心の機能を導いてくれれば、素晴ら
しい結果をもたらす。テクノロジーは、意識が具体化したものだ。
私たちは今、人間の意識を材料に、革新、そして会社の利益を創出
する時代に生きている。意識は、資本、エネルギー、テクノロジー
などと同じくらい、ビジネスにとって貴重な財産になったのだ。
その意識を養う最良の方法が瞑想のようなテクニックだ。事実、多
くの会社がそういったことに取り組むようになった。非常に意識の
高い人が一人いれば、強力なソフトウェアを産み出すことすら可能
な時代になったのだ。
【3】
メガトレンドとは、私たちの人生を10年、あるいはそれ以上にわた
って形づくるような、大きく、包括的な方向性のことだ。
私たちの行動は、本性の影響を受けている。だから、環境や倫理の
基準が高い企業に投資したり、創造性を尊重する会社のために働こ
うと決めたり、労働搾取する店では買わないと誓ったりするのだ。
心の奥深くに潜む、こういう真実が私たちの価値観であり、この価
値観こそが、今求められている変革で重要な役割を果たすのだ。
では、変革はどのようにして起こるのだろうか?それは、価値観の
変化と、経済上の必要性が合流したときに起きる。まず、ハイテク
バブルや法改正など、経済上の必要性に迫られて変革が起きる。
加えて、消費者運動や企業の精神性の探求といった価値観も、変革
をもたらす。こうした「経済上の必要性」と「価値観の変化」の相
互作用が、資本主義に変革を引き起こすのだ。
【4】
不況、相場の下落、企業の会計疑惑等々、近年社会を揺さぶる数々
の事件が起きた。ビジネスは、こうした事件の影響から、いまだ回
復していない。
その上、赤字が膨らみ、エネルギーや医療のコストは高騰し、金利
は上昇し、可処分所得は減るだろうと言われている。さらに、景気
回復期ながら企業の支出や雇用が伸び悩むなどの難題を抱えている。
個人にとっても不確実な時代になった。テロの恐怖に絶えおびえ、
2つの戦争が起こり、失業があり、貯蓄は消えた。身の周りの安全
が脅かされると、人は自己の内側に目を向けざるをえない。新しい
答えを得、新しい方向へ向かうための核を探すからだ。
だから「精神性の力」が、この時代最大のメがトレンドとなりうる
のだ。あなたの精神が高かろうが、あなたが福音派だろうが、環境
保護主義やニューエイジ志向だろうが、頑固な資本主義者だろうが、
自分の価値観で買い物する人だろうが、そんなことは問題ではない。
あなたの精神の力こそが、企業を作り、変えるのだ。今、こうした
強い動きがあることを知っておくべきだ。そして、その正体をしっ
かりと把握しておかなければならないのだ。
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最終更新日
2006.09.10 12:15:00