●公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人は
4日、07年10~12月の四半期の運用損が1兆5348億円に達
したと発表した。07年度通期の運用実績も02年度以来5年ぶりに
赤字となることを避けられない見通しだ。
10~12月期の運用実績を見ると、国内債券の運用利回りは1.3%
のプラスだったが、国内株式は円高による株安の進行を受けマイナス
8.96%と低迷。外国株式も4.80%のマイナスだった。全体の
運用利回りもマイナス1.67%となった。
朝日新聞 3月5日
●実際に基金の懐具合はどれほど傷んでいるのだろう。
年金は信託銀行を通じて売買注文を出すことが多い。多くの基金が将来
の年金財政を見直した2005年4月から直近までを対象に、信託銀の平均
買付単価(日本株の買付金額を株数で割って算出)をはじいたところ
1万6039円だった。4日終値は1万2992円だから、すでに3047円
(19%)の損失を抱えている計算になる。
同じ期間で外国人は1万5727円、個人は1万5326円と信託銀よりも低い
ことも分かった。したたかに下値を拾ってきたはずの年金は、実は中期
的に見ると外国人や個人よりも割高な水準で買ってしまい、いったん
相場下落に拍車が掛かると損失も拡大しやすい。
日経ヴェリタス 3月4日
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最終更新日
2008.03.05 13:49:22