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テーマ:鉄道(23004)
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今日は金曜日。1週間の最終関門と言っていいでしょう。
2時間目は憲法2。 ここで僕の予想がぴったり当たることとなります。 それは4日に最高裁判決が出た婚外子国籍取得訴訟。 ニュースで見て、多分これは憲法の授業で話題に上がるだろう、 と僕は思っていました。それが見事に当たった格好です。 最高裁は裁判官15人中12人の多数決で、国籍法3条1項における、 「結婚要件」は違憲であると判示しました。 今回の事実の概要は、フィリピン人である母と、日本国民の父は、 法律上の婚姻関係によらず、出生した子(上告人)が、父から認知を受けたことを理由に、 平成17年に法務大臣宛に国籍取得届を提出したところ、 国籍取得の条件を備えておらず、日本国籍を取得していないものとされたことから、 被上告人(国)に対し、日本国籍を有することの確認を求めていた事案です。 国籍法では、2条1項にて日本国民である父と母から出生した子は、 日本国民とする旨を規定して、日本国籍の生来的取得に関しては、 父母両系血統主義によって定めています。 では、問題となった国籍法3条1項はどうでしょう。 ここでは、「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で 20歳未満のもの(日本国民であった者を除く。)は、認知をした父又は母が子の 出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、 又はその死亡の時に日本国民であったときは、法務大臣に届け出ることによって、 日本の国籍を取得することができる。」と規定されています。 最高裁の要旨による原判決(高等裁判所の判決)では、 「この国籍法3条1項の結婚要件が、たとえ憲法14条1項に反していたとしても、 そのことから、日本国民である父の非嫡出子が認知と届出のみによって 日本国籍を取得し得るものと解することは、法解釈の名の下に、 実質的に国籍法に定めのない国籍取得の要件を創設するものにほかならず、 裁判所がこのような立法作用を行うことは、違憲立法審査権の限界を 逸脱するものであって許されないし、また、国籍法3条1項の趣旨からすると 上記の要件を定めた部分が憲法14条1項に違反して無効であるとすれば、 国籍法3条1項全体が無効となると解するのが相当であり、その場合、 出生後に日本国民である父から認知されたにとどまる子が 日本国籍を取得する制度が創設されるわけではないから、 憲法14条1項に違反することにより国籍法3条1項の規定の一部又は全部が 無効であったとしても、上告人らは法務大臣に対する届出により 日本国籍を取得することはできないとして、上告人らの請求を棄却した。」 と書かれています。 ところが最高裁は、この結婚要件について、 「国籍法が、同じく日本国民との間に法律上の親子関係を生じた子であるにもかかわらず、 非嫡出子についてのみ、父母の婚姻という、子にはどうすることも出来ない 父母の身分行為が行われない限り、生来的にも届出によっても 日本国籍の取得を認めない点は、今日においては、立法府に与えられた 裁量権を考慮しても我が国との密接な結び付きを有する者に限り 日本国籍を付与するという立法目的との合理的関連性の認められる範囲を 著しく超える手段を採用しているものというほかなく、 その結果、不合理な差別を生じさせているものといわざるを得ない。」 と、批判しています。 これと、国籍法3条1項の憲法適合性を挙げた上で、 国籍法3条1項の結婚要件は、憲法14条1項における「法の下の平等」に 違反すると最終的な結論を出しました。 しょっぱな長くなってしまいましたが、 いくらニュースで見たとしても、判決文の一部を公表しているに過ぎず、 どうなっているのかなんていうのは、「判例」を見た人にしかわかりません。 最高裁のHPを見ると全ての判例が載っています。 この判決どうなっているんだろう、と思った方は、 是非、判例を読んでもらいたいと思っています。 今回のこの判決についても、最高裁判例の判決部分を少しずつ抜粋させていただきました。 僕自身はどう思ったかはここでは書きませんが、 一度考えてもらえればと思い、あえて書かせていただきました。 今回の国籍取得訴訟の判決文を見たいという方は、下からどうぞ。(pdfファイルです) 国籍取得訴訟判決文 3時間目は教養演習。ここでも判例研究。 先週やった、国家賠償法1条1項における損害賠償訴訟。 今回は下級審の見解と、判決要旨、そして最終的に自分はどう思ったか、 というのを考えました。 なかなか面白いです。判例を読むと事件の概要も見えてきますし、 どういった経緯で最高裁まで争ったかというのも分かります。 コレからいろいろ研究するのに貴重な材料といえます。 4時間目は行政法1。 今回は行政立法の残った部分、そして行政行為に入りました。 モンハン進ませすぎですよ、先生・・・。苦笑 5時間目は英語3。 今回は教科書最後の範囲。 来週から公務員試験や、TOEFLなど、さまざまな試験問題に挑戦します。 といった感じで、今回も1週間が終わりました。 土日は仕事が入ってないため休みです。 今回はゆっくりと地元鉄を含めたことにするつもりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 7, 2008 12:48:16 AM
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