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テーマ:吹奏楽(3409)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2023.10.21(土) 13:30開演
場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ小ホール(320名収容) 坂ブラ初となるサントミューゼ小ホールでの記念演奏会のレポートです。 プログラム オープニング 0.トップ・オブ・ザ・ワールド 第1部 演奏してきた曲を振り返るステージ 1.君の瞳に恋してる 2.越冬つばめ 3.FLASHDANCE...WHAT A FEELING 4.スーパーマリオブラザーズ 5.ナウシカ・コレクション 第2部 A.Oriental Wind(坂ブラクラッツ) B.Medoley of Summer wars(おにぎしブラス) 第3部 未来への想いを馳せるステージ 6.ジャンボリミッキー! 7.シャンソン・メドレー~モンマルトルの小径~ 8.ホール・ニュー・ワールド 9.YELL 10.ユーミン・コレクション アンコール 11.サンダーバード 12.月光価千金 レポート トップ・オブ・ザ・ワールド これ以上無いほど幸せの意味を持つカーペンターズの名曲ですが、坂ブラとして1996、1997、1998、2000、2009、2012、2016に演奏された履歴があり、ある意味18番的な楽曲として40周年の記念の演奏会の幕開けを飾ることとになりました。 君の瞳に恋してる 高校野球の応援や車のCMなどでもおなじみの楽曲ですが、さわやかでちょっと切ない…そんな雰囲気の旋律が特徴的で、このアレンジではトランペットのソロなども織り込まれており、演奏会の雰囲気を上げてゆく1ピースとしてとてもよい役割を果たしていると感じました。 越冬つばめ 坂ブラ結成の1983年に発表された楽曲ということで取り上げられましたが、吹奏楽への編曲は2011年と新しく、今風のサウンド感を感じました。そしてなんといってもこの曲の一番の特徴は森昌子が歌う「ヒュルリ~、ヒュールリーラーラ~」というつばめの飛翔する様子を音で表現したような歌詞が有名ですが、今回司会者がその部分を歌唱するという素晴らしい演出がありました。 FLASHDANCE...WHAT A FEELING 1983年公開の映画『フラッシュダンス』の主題歌であり、同年のアカデミー賞受賞作品で、こちらも結成時の1983年を振り返っての選曲となりましたが、坂ブラとして2002、2004、2005年と2000年代前半によく演奏していた想い出の楽曲で、前半にユーフォニアムとアルトサクソフォーンのソロが組み込まれていて、コンサート的にも見せ場のある楽曲と感じました。 スーパーマリオブラザーズ 1985年に発売され、それまでのアクションゲームの概念を大きく変え、社会現象を引き起こしたゲームのBGMをメドレーにした楽曲ですが、コインを取る音や1UPなどの効果音が組み込まれていたり、音楽的にもラテン、ファンクビート、マンボ、ワルツといろいろな要素で曲が構成されていることから、演奏しがいのある曲という印象がありました。 ナウシカ・コレクション スタジオジブリ初期の作品の音楽ですが、久石譲氏の音楽の壮大さ奥深さをまじまじと感じる内容で、アレンジ的にもナウシカレクイエムのオーボエとユーフォニアムの二重奏。後半の風の伝説でのサクソフォーンソロと見せ場もあって、元曲の良さを十二分に生かしている感がありました。 Oriental Wind(坂ブラクラッツ) ジブリでない久石譲氏の楽曲の1つとして伊右衛門のCMでおなじみですが、この曲は4つの楽章に分かれており、4つの物語がある…。そんな印象を受けました。アレンジ的にも、同族のクラリネット五重奏ながら、パートごとにあえて違う性格を持たせ、各々がそれぞれに主張することで、題名に由来する東洋のいろいろな風を表現しているように感じました。 Medoley of Summer wars(おにぎしブラス) 一時期JR上田駅前にサマーウォーズの大きな看板がありましたが、まさに上田はサマーウォーズの街。おにぎしブラスのメンバーにFIRE WINGS ORCHESTRAのメンバーが加わって、編成としては珍しいトランペット五重奏によるスピード感のある演奏が行われ、サマーウォーズの世界がステージ上に広がってゆくようなイメージがありました。 ジャンボリミッキー! 第3部の未来への想いを馳せるステージの幕開けは、「ジャンボリミッキー!」のかけ声から始まるディズニーリゾートでおなじみの楽曲で、元気よく楽しくをモットーに曲中に組み込まれたミッキーマウスマーチを楽しみつつのスタートとなりました。 シャンソン・メドレー~モンマルトルの小径~ 来年はパリオリンピックということで、パリの香りを先取りする形で「未来に想いを馳せる」そしてこの演奏会の最長のメイン曲としての演奏となりました。真島俊夫氏によるアレンジはとてもお洒落で、冒頭のクラリネットソロ、それに絡むエスクラリネット。ユーフォニアム、ホルン、オーボエ、トランペット、トロンボーン、テナーサクソフォン、アルトサクソフォンとソロのオンパレードで、多くの見せ場がありました。 ホール・ニュー・ワールド ディズニー映画アラジンで使われる曲の中で最もよく知られ、アラジンとジャスミンが魔法の絨毯で世界へと羽ばたく場面で歌われることでおなじみですが、ここでは聴き手の皆さんに自由な想像をしていただくという案内がありました。このあたり、以前ホルン奏者の福川氏がある現代曲を演奏する際に、同様のことを言われていたので、改めて音楽のカラーの解釈は聴く側の手の内にある…そんなことを感じた次第です。 YELL いきものががりの絶頂期を構成する1曲になりますが、これまで坂ブラではいきものがかりの曲を比較的多く取り上げてきたこともあり、おなじみ感とともに司会者から「未来へ想いを馳せるメッセージということで、エールを演奏いたします。」との案内もあってメッセージ性の強い楽曲で場を引き締めた感がありました。 ユーミン・コレクション 歌手活動50年に及ぶ世代を越えたユーミンの楽曲を集めたコレクションですが、アレンジが2018年と比較的新しく、最近流行ったひこうき雲が入っていることが特徴的かなと思いました。そして楽曲的には、前半はユーミンの名曲「ひこうき雲、ルージュの伝言、やさしさに包まれたなら、卒業写真、春よ来い」をインデックス的に取り上げ、後半で「真夏の夜の夢」をじっくり聴かせるという構成になっており、そこは演じ手も聴き手も十分にテンションが高くなって終われるよいアレンジなのかなと感じました。 サンダーバード アンコール1曲目は、坂ブラ団長肝いりの楽曲で、テレビで見た想い出などが語られてからの演奏となりました。その楽曲はどこかメカニック的な印象を受ける音符の動きをしている感がありました。 月光価千金 アンコール2曲目は、坂ブラでおそらく最も演奏回数が多いであろうこちらの楽曲となりました。月光ということで、ドビュッシーの月の光にも通づるイメージを持ちつつ、荒っぽくならないようエレガントな雰囲気を全体的に纏いつつ、冒頭のアルトサクソフォーンソロ。そして曲の後半では目の覚めるようなハイトーンのトランペットソロとそれに続くパワフルなクラリネットソロ、最後は全体で盛り上がって月の光の元でパーティーをしているかのようなイメージでの幕切れとなりました。 まとめ 結成40周年記念演奏会ということで、パンフレットには40年を振り返っての数々の想い出が掲載され、改めて40年という月日の長さとそれに携わってきた多くの人たちの痕跡を見ることができました。 また初めてのサントミューゼでの公演ということもあり、素晴らしい音響の中で演じ手も聴き手もいつも以上に充実したひとときを過ごせたのではないかと感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 3, 2023 10:14:44 AM
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