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テーマ:吹奏楽(3434)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2024.10.6(日)14:00開演
場所 :大町市文化会館(エコーホール)(1,172名収容) 黒部ダムで有名な大町を拠点に活動する大町市民吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。 また、縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。 第1部 1.プロローグ・ワン 2.マーチ「春風」 3.カイト 4.カルメン・ファンタジー 第2部 5.塔の上のラプンツェル・メドレー 6.サンバ・エキスプレス 7.楽器紹介「山の音楽家」 8.「もののけ姫」セレクション アンコール 9.世界中のこどもたちが 10.ヤングマン(Y.M.C.A) レポート プロローグ・ワン 浜松日体中学校・高等学校の委嘱作品としてコロナ禍真っただ中の2020年に世に出た曲ですが、多くの制限がかけられたコロナ禍の絶望の中にあって、一筋の光を感じるような希望に満ちた曲調がとても印象的な楽曲と感じました。構成は、チューニングからスタートして、スネアドラムを合図に堂々たる金管ファンファーレ。そして威厳のあるテンポ120の前半部。中盤からテンポ132のポップス調にガラリと変わる展開にもわくわく感があり、演奏会の幕開けを華やかに彩った形となりました。 マーチ「春風」 2005年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲ですが、大町市吹の前身であるアルプスシンフォニックバンドがコンクールに出場し金賞を受賞したという紹介があり、団にとっては金字塔のような想い出の楽曲なのだろうと感じました。石津先生のレッスンでは、この曲について「どんなふうに演奏するのかよく考えてやる。」という教えがあり、それは過去の金賞受賞時のことでもあり、さりとて19年が経過してバンドのメンバーの多くが入れかわった今においては、今日ここに集ったプレイヤー一人一人が積み重ねてきたものを生かして演奏して欲しいというメッセージと捉えて、いろいろな想いがつまった演奏になった感がありました。 カイト 米津玄師氏の代表作で嵐のヒット曲になりますが、今回演奏されたのはロケットミュージック版の編曲版で、これまで私が2回演奏したウインズスコア版とはまた違った味がありました。とはいえ原曲の素晴らしさは少しも損なわれることなくカイトの世界観にじっくりと入り込めたひとときになりました。 カルメン・ファンタジー 昨年のメリー・ウィドウセレクションに続いて今年も鈴木英史氏編曲のカルメン・ファンタジーが1部のトリになりました。使用曲は「前奏曲」(第4幕)「ハバネラ」(第1幕)「セギディーリャ」(第1幕)「行進曲と合唱」(第4幕)「終曲」(第3幕)「終曲」(第1幕)「ジプシーの歌」(第2幕)とのことで、その中の楽曲のおいしいところを取り出して再構成したような形になっており、その見事な構成は、もはやカルメンではなくカルメンファンタジーという曲!という印象がありました。 塔の上のラプンツェル・メドレー 第2部の幕開けは、ディズニーミュージックでも人気のあるラプンツェルですが、私にとっては5回目の演奏で、直近の4回目の演奏は5月と記憶も新しいところです。そんな中、今回はソロのあるオーボエパートの隣で演奏することとなり、4回目の演奏でオーボエのオプションを吹いていた縁から、冒頭の入りの緊張感や後半での歌いこみなど、自分のことのような親近感を持ちつつも、本物のオーボエの演奏はやはり素晴らしいといった想いを感じさせていただきました。 サンバ・エキスプレス 真島俊夫氏の曲というとで、なかなかの難易度…。その音符の並びを見るにつけ真島氏から「吹けるものなら吹いてみろ!」と言われているようで、演奏者としてはコンチクショー!という闘志が湧いてくるようなところがあるように感じました。私的にはこの曲の印象として残っているのは、前半と終盤にそれぞれ1回づつあるトランペットソロで、そのキラキラしたサウンドのあまりの格好良さにため息がでるところでした。 楽器紹介「山の音楽家」 昨年の楽器紹介のためのファンタジーメドレーに続いての楽器紹介曲になりますが、題名通り山の音楽家のあの有名なメロディーをつなぎに使い、その楽器の有名な曲をリレーしてゆくというもので、なかなかによく考えられた曲と感じました。というのもバンドによってはいないパートも当然ある中で、そのパートをスムーズに飛ばして演奏できるような構成になっているところがとても親切と感じました。 「もののけ姫」セレクション 『アシタカせっ記』『TA・TA・RI・GAMI』『アシタカとサン』の3曲がメドレーになった楽曲で編曲者の森田一浩氏によれば、もともと16分あった交響組曲版をコンクールで演奏したいという希望を受けて、再編成した楽曲で、そこには第3クラリネットは楽器を始めたばかりの1年生でも吹けるようにレジスターキーを使わない音域で書くといった特段の配慮も入ったりして、演奏者に寄り添う森田氏の想いが感じられました。演奏に際しては石津先生より、冒頭はあの世の音楽。練習番号3からこの世の音楽に切り替わるといったサウンドの変化の表現や、最終小節のタイでつながった8分音符をどう表現するのか…といった掘り下げがあり、改めて音楽の深みを感じた次第です。 世界中のこどもたちが アンコール1曲目は、保育施設や小学校などで定番となっている楽曲とのことで、起源は保育士でありミュージシャンでもある新沢としひこ氏と中川ひろたか氏によって1987年に作詞作曲されたとあります。演奏については、三連符の音型を特に強調することでメリハリをつける形になりましたが、それが気合のように感じられ、演奏者も聴き手も元気になれる…そんな力を持った楽曲と感じました。 ヤングマン(Y.M.C.A) アンコール2曲目は、1979年に発表された西城秀樹の28枚目のシングルでおなじみですが、このM8の編曲版では、サクソフォーンカルテットのソリとトロンボーンのソロが組み込まれており、イケイケ感の強い形になっていると感じました。そして今回は演出として「大」「町」「市」「吹」「ま」「た」「来」「年」のプラカードの演出と、カラフルなキラキラを手首に付けての時間差スタンドプレーの後、最後はベルアップでの締めくくりとなりました。 まとめ 昨年に続き演奏者として参加させて頂いた訳ですが、今回特に印象的だったのは石津先生がリハーサルでどうもサウンドが良くない…響きに霧がかかったようだということで、演奏者の並びを台形に再編成したところ、たちどころにサウンドがクリアになったという出来事があり、並び次第でこうもかわるものという事を目の当たりにしたことで、奏者の並びについて大いに興味を感じることがありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 10, 2024 11:23:38 PM
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