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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2024.10.26
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カテゴリ:ファッション
今週水曜日本年度毎日ファッション大賞の授賞式が都内で開催されました、今年で42回目、私は1988年第6回から1995年12回までの7年間と、2013年第31回から現在までの12年間選考委員の端くれとして選考委員会に参加してきました。



本年度受賞者は、ファッション大賞にメゾンミハラヤスヒロの三原康裕さん、新人賞にはハルノブムラタの村田晴信さん、鯨岡阿美子賞には日本ファッションウイーク推進機構の前理事長三宅正彦さん。例年話題賞や特別賞などがありますが、今年表彰されたのはこの3人だけ。毎年選考委員の意見が分かれて何度も決戦投票を繰り返しますが、今年の選考会は案外すんなり決まりました。

三原さんの名前を私が初めて知ったのは2001年だったでしょうか、まだニューヨークのミートマーケット地区が完全にファッションタウンに仕上がる直前のことでした。同エリア再開発の牽引者だったハイエンドセレクトショップJEFFREYの並びにオープンしたプーマ大型店、エントランスにズラリ陳列されたシューズにミハラヤスヒロの名前がありました。世界的スポーツブランドが日本の若手デザイナーとコラボしている、あのときの驚き、いまもはっきり覚えています。


三原康裕さん

ご本人によれば、あのとき最初は海外店のみの展開、日本市場はそのあとだったそうです。大手メーカーがコラボする場合、概して市場でポジションを確立したデザイナーを選ぶものですが、プーマはまだ世界では無名と言っていい三原さんを選択したのです。デザイナーとスポーツブランドのコラボが当たり前になったいまならわかりますが、当時は異例の取り組みでした。プーマの幹部をその気にさせたんですからすごいことです。

これまで三原さんがファッション大賞に無縁だったことが不思議なくらい。実力と知名度から言っても、また近年の様々なイベントの仕掛や次世代デザイナーを育成する姿を見ても、ノミネートされた他の候補者よりも抜きん出た存在でした。

新人賞の規定はブランド設立5年以内となっていますから、デビュー5年目の村田さんは規定ギリギリの受賞です。ヨーロッパに渡ってジルサンダーなどで経験を積んで帰国、自分のブランドをスタート。デビュー以来ずっと自分なりのラグジュアリーを表現してきたデザイナーです。


ファッション大賞恒例の新人賞デザイナーのプレゼン

新人賞を受賞して数年後にファッション大賞を受賞するデザイナーは過去何人もいますから、村田さんには次はファッション大賞受賞を期待したいです。

三宅正彦さんは御年89歳、今年JFW(日本ファッションウイーク推進機構)理事長を退任されたばかりです。経済産業省の肝いりでJFWは発足、我々が設立したCFD(東京ファッションデザイナー協議会)から東京コレクション開催を受け継いだ時点ではJFW実行委員長、その後初代理事長の馬場彰さんから理事長のバトンを渡され、若手デザイナーの育成などに尽力されました。

JFWの東京コレクションがスタートした2005年、CFD東京コレクションを10年間運営してきた私は全くの部外者、ただのショー観客の一人でした。が、初回JFW東京コレクションが終わった直後、実行委員長だったTSI代表取締役の三宅さんから呼び出され、私は再び東京コレクションのお手伝いを始めることになりました。なぜなら、三宅さんらが頑張っているのに東京コレクションを立ち上げた自分は放っておけないと思ったからです。

当時政府からJFWに補助金が出ていました。秋冬コレクションの開催は3月下旬、終了したら即刻業者らに支払いを行い、数日後の年度末までにお役所に補助金申請をしなくてはなりません。しかし支払った上で領収書を添えて報告しなければならないのに、JFW事務局には手元キャッシュがありません。

そこで三宅実行委員長は銀行から個人名義で(会社の資金を充てるわけにはいきません)数億円借りて事務局に渡し、JFWは急いで業者に支払って領収書を集めてお役所にイベント決算報告をしていました。東京コレクションを引き継いだJFWの実行委員長がそこまでしているのですから、協力要請された私は傍観者のままではいられませんでした。


三宅正彦さん

現在の東京コレクションはRakuten Fashion Week Tokyoの名で開催していますが、早いものでJFWが運営を始めてもうすぐ20年になります。ここまでどうにか継続できたのは理事長、実行委員長としての三宅さんの貢献が大きいと思います。

受賞された3人の皆様、おめでとうございます。





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Last updated  2024.10.26 21:06:14
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