|
カテゴリ:カテゴリ未分類
いつも役に立つ話題が豊富なイネイト研究会 のメーリングリストから ********************************************************************** 骨を丈夫にするために必要なこととは何? 誰もが信じていたことが覆る、新たな論文が発表されました。 幼稚園・保育園、学校での給食を見直す必要がありそうです。 ---------------------------------------------------------------------- 牛乳・乳製品はカルシウムが豊富で、カルシウムを補給するのに有用。 カルシウムを多く摂取すれば骨密度が増加して骨折を予防できる、と多くの人 が信じています。 しかし、この説を支持する大規模な研究はまだありません。アメリカは乳製 品の消費量は世界一で、カルシウム摂取量は世界で最も多いといわれているの に、なぜか骨粗鬆症と骨折も世界一多いのです。(これを「カルシウム・パラ ドックス=カルシウムを増やしても骨折が増える」といいます)。 一方、日本では、給食に牛乳が取り入れられてからも学童の骨折は増加し、 14年間で1.5倍になっています。 アメリカのLanouらは(*)、1966年以降に発表された25歳以下を対象とした 牛乳・乳製品と骨密度・骨粗鬆症に関する論文を精査して、 (1)牛乳・乳製品はカルシウムが豊富な他の食品やサプリメントよりも骨を丈 夫にするのか? (2)現状のカルシウム摂取推奨量は適切かどうか? を検討しました。 その結果、健康な子供に牛乳や乳製品の摂取量を単純に増やしても骨が丈夫 になるわけではないという結論を出しました。 1~2年間カルシウム摂取を増やして骨密度を大きくしても、1年後には元 に戻るという報告があります。一方、思春期に骨量を増やせば成人後も骨量が 多くなるという証拠はありませんでした。 骨量・骨密度に影響を与える因子は、体重・身長や運動量、思春期発来( 第二次性徴)の有無でした。 ちなみに、牛乳200mlと同等のカルシウムを含む食品には、木綿豆腐200g、 干しサクラエビ10g、しらす干し40g、プロセスチーズ30gなどがあります。 ●タンパク質の摂りすぎもやめよう カルシウムは腸から吸収され、尿と便中に排泄されます。カルシウムの吸収 ・排泄に関係のある因子として、タンパク質(特に動物性タンパク)、食塩、 運動、体重、年齢、ビタミンDなどがよく知られています。 タンパク質と塩の摂取が多すぎると、カルシウムの排泄が多くなります。 中でもプロセスチーズはカルシウムが豊富なのに塩分も多いために、食べると 尿へのカルシウム排泄は増えることが知られています。 濃い塩味はいけませんが、タンパク質の摂りすぎもカルシウムの排泄を増し 、骨密度の低下を招きます。 日本では幼稚園、保育所、学校でカルシウム補給という目的で、一律に給食 に牛乳を出しています。しかし、カルシウム補給のみで骨が丈夫になるという 前提が崩れたのですから、給食や家庭での牛乳の飲み方を変える必要があるか もしれません。 骨の健康のためには適度な運動、体内でビタミンDを生成するための日光浴 を勧めた方が実際的です。 (*)PEDIATRICS.2005;115(3):736-743. ********************************************************************** あと、 白砂糖の摂りすぎも、体内のカルシウムを奪う原因の一つだそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.07.03 15:52:26
コメント(0) | コメントを書く |