非正規雇用の拡大と内定取り消し
総務省が発表した完全失業率は,前月より0.3ポイント低下の3.7%で,2カ月連続で改善しました。ただし,失業率にはカラクリがあります。完全失業者の条件は,「仕事がなく,職探し中で,すぐに仕事に就ける」ことです。仕事がなくて職探しをしていても,この不況で職探しをあきらめた人が増加すれば,失業率は改善してしまいます。そして,今日は厚生労働省の調査で,業績の悪化を理由に,不動産やサービス業種を中心に内定を取り消された人が331人に上ることが明らかになりました。また,10月から来年3月末までの期間に契約満了に伴う「雇い止め」や,契約の中途解除によって仕事を失う非正規労働者が3万人を超えることも分かりました。日雇い労働は原則として廃止する方針が出されましたが,派遣労働において,いつ雇用が打ち切られるわからず,失業後に失業保険も出ない状態が続くのであれば,根本的な解決にはなりません。内定取り消しは,業績予想を見誤った企業の責任を内定生に転嫁するものであって無責任のような気がします。雇用がいつ止まるかもわからない派遣労働者の不安定な収入も改善されなければならないです。新自由主義のもとアメリカと同じ歩調を取ってきた日本。アメリカ経済が停滞する中で,日本は誰もが幸福に暮らせるように安定的な仕事をいかに生み出していくかが問われているのだと思います。麻生首相と小沢民主党党首の党首討論が行われました。揚げ足取りや政局争いをする前に,今後の日本の未来像について提案をし合っていくべきではないでしょうか。