1337399 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

雪白の月

雪白の月

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

つぐみ@夜空

つぐみ@夜空

カレンダー

カテゴリ

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

ニューストピックス

フリーページ

2012年02月21日
XML
カテゴリ:文学

★『 共喰い 』 田中慎弥

★『 道化師の蝶 』 円城 塔



芥川賞作品を読む為に「文藝春秋」を買った。

2003年の 『 蹴りたい背中 』(綿矢りさ)と『 蛇とピアス 』(金原ひとみ)の「超若」女子ダブル受賞で話題になった時以来だ、…「文藝春秋」なんか買うのは。

この時は、若い女の子たちの作品に余り魅力を感じず、落胆した覚えがある。


今回もダブル受賞だが、受賞直後にやたらとテレビ報道で目立ったのは、片方の田中氏ばかりで、しかも、作品の内容云々よりも、「石原都知事批判発言」ばかりが取り上げられた。

ヒドい番組だと、もう一人受賞者がいるってことすら、ろくに伝えていなかった。


はっきり言って受賞者が田中氏だけだったら、わざわざ「文藝春秋」なんか買わないのだが、NHKの情報番組で、もう一人の受賞者である円城氏がゲスト出演していて(至って温厚そうな人)、物理学者から小説家に転向、という経歴が興味深かったので、買ってみる気になった。



一読した印象とすれば、両作品とも、文章(文体)自体は割と好きなタイプ。

冒頭に名前を出したついでに引き合いにすると、綿矢りさ(『 蹴りたい背中 』)の、やたらと比喩表現で飾り立てた文章が私的には嫌いだったので、そういう意味では比較的、読みやすく、情景が目に浮かびやすかった。



ただ、内容的に言うと、田中氏の『 共喰い 』は、私の最も苦手な「暴力的な性衝動」がテーマとなっているので、余り共感は出来ず。

こればかりは、ど~にも、生理的に好きになれないので、どうしようもない。

純文学において、「性衝動」がやたらとテーマにされるの自体がゲンナリする。

いっそ、ポルノなら、まだ目的は理解できるが、個人的な異常性愛など、わざわざ文章にしなくても、各人が心の中に秘密にしておけばヨロシいのでは?…と、思ってしまう。

以前、花村萬月の小説が好きだという方が、代表作を何冊か貸して下さり読んだことがあるが、まあ、読み慣れれば内容的には結構、面白いのだが、どうにも暴力的な性描写が多くて、イマイチ引いてしまう場面が幾つもあった。



円城氏の『 道化師の蝶 』の方は、「難解」という評判に、少々、構えて読み進めたが、文章自体が読みにくいわけではなく、読んでいる最中は結構面白いし、不思議とワクワクさせられる。

ただ、終盤になって混沌としてきて、結局は、よく分からなかった、というのが正直なところ。

どこかに辿り着けそうで辿り着けなかった「残念」感…。


総合的に「文藝春秋」価格848円分の価値があったかと言えば、ビミョー。

何しろ、こういう月刊誌の中の記事は、良くても「暇つぶし」程度にしかならない(読む気にすらならない記事の方が多い)。

「所詮、人生の全ては暇つぶし(仕事も含めて)なんじゃないか」…と考えれば、哲学的だけれども。


ま、「文藝春秋」からすると、話題を振りまいてくれた「田中慎弥 様々」だろうな。

滅多に雑誌買わない私が買っちゃった位だし。



【送料無料】共喰い

【送料無料】共喰い
価格:1,050円(税込、送料別)



【送料無料】道化師の蝶

【送料無料】道化師の蝶
価格:1,365円(税込、送料別)








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年02月16日 22時16分57秒
コメント(0) | コメントを書く
[文学] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.