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2013年11月15日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 百鬼夜行抄 』 今市子 (1995年~)



文庫版、既刊13巻まで読了。

文庫版が出るまで待って購入している作品だが、12~13巻を買い損なっていて、この度、久々に続きを読んだ。


『蟲師』 の感想 (2013.11.11.の日記) でも述べたとおり、いわゆる 「妖」 ものだが、一話完結形式でひとつひとつのストーリーによく練られた独立性がありつつも、物語全体に継続性を併せ持っていて、謎解き要素の多い話には珍しく、何度読み返しても飽きない面白さがある。


敢えて欠点を言わせてもらうと、今市子さんの作品全般に言えることだが、ストーリーは良いのに、演出 (場面転換) が余り上手くないので、かなり読みにくい。


ページ数の9割方が伏線で、最後の数ページでやっと謎が解け、余韻もそこそこに物語を閉めてしまう手法は、それはそれでアリだとは思う。

昨今、見開き一コマだとか、ページの半分以上使って、驚く人の顔のアップだとか、やたらとページ数を使う漫画が多すぎる。勿論、必要な場合はいいんだけど、大して感動もない話で、しかも、大して上手くもない絵でやられると、無駄な引き延ばし、紙や印刷代の無駄遣いにしか思えない。


そういう意味で言うと、今さんの作品は、ページの途中で何の断りもなく、いつの間にか場所も時間も変わっていたりして、無駄がないと言えばないのだが、注意して読まないと、混乱する。

場所や時間の経過を示すコマを置かずに、いきなり別の人物の会話になってたり、結構、重要な出来事や事件を、さらっと台詞だけで説明させてしまうことがあるので、一体、誰の台詞なんだか、絵で描かれてない事実が何だったのかを推理しながら読まないとならない。


しかも、絵柄自体は魅力があるのだが、男女の顔に余り違いがないので、どアップにしたり、ベタ髪の人物が 「効果」 で白抜き頭になったりすると、人物の区別すら付けにくいこともある。


だから、1回読んで結末が分かってから、もう一度読み返して 「あ、この台詞、伏線だったのか」 と、やっと気づくこともある。


まあ、漫画好きな気長な人は、それも面白さの一つだと言うだろうが、漫画を読み慣れてない人はどうだろう?

昔、高校の同級生で、漫画をエラい速読する子がいて、ページをめくる速度といったら、冗談抜きで3秒に1回ペースだったのだが、他愛ない恋愛漫画でも、よくよく確認すると、案の定、大事な設定を誤解していたりした。


まあ、たかが漫画だが、きちんと設定や伏線を理解できてなければ、結末の感動は半減だ。

エピソード上の謎はいくらあってもいいのだが、わざわざ読解しにくくするのは、故意だとすればアンフェアだと思う。

あくまで漫画なんだから、やっぱり、絵によってストーリーを解りやすくするのが漫画の長所なんだから、そこは努力しようよ、と思う。

これは、作者だけでなく、編集者の責任でもあるのではないだろうか。


再三言うが、この作品自体は、謎解きあり、涙あり、笑いありで、オススメできる。


ただ、読むなら、漫画喫茶とかで慌てて読むのではなく、ゆっくり読み返せる環境で読むことをお薦めする。

『蟲師』 の感想でも触れたが、物語の主体も、主人公 (律)の祖父母、父母、従姉妹、叔父などにまで及び、いったんまとめたエピソードや、ゲストかと思っていた人物が、ずっと後に、また出てくることもある。


そういった理由だけでもあるまいが、後発の 『蟲師』 や 『夏目友人帖』 の方がアニメ化でメジャーになってるのは、ちょっと寂しい気もする。(テレビドラマ化はされたらしいが)





<関連日記>
2012.1.11. 初回観ての感想・・・『 夏目友人帳 肆 』

2012.3.15. なかなか奥の深い漫画家、今市子が描く大人の恋愛

2012.4.25. 勘違いが勘違いを呼ぶドタバタ劇・・・今市子 『 あしながおじさん達の行方 』 他

2013.11.11. 「極秘プロジェクト始動」 だそうです ・・・ 漆原友紀 『 蟲師 』





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最終更新日  2016年10月11日 21時51分50秒
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