2016/10/10(月)23:45
河島正、あだちとか 『 アライブ-最終進化的少年- 』…… ストーリーが良くても、主役に感情移入できない作品の残念さ
★ 『 アライブ-最終進化的少年- 』 原作;河島正 作画;あだちとか (2003~10年)
レンタルコミックにて、全21巻読了。
前季のアニメ、 『ノラガミ』 が割と面白かったので、原作者のあだちとか氏の作品の、完結しているものを読んでみた次第。
とは言っても、あだち氏は作画担当 (人物担当、背景担当の女性二人組) で、原作者は別 (河島正)。
当時、新人ながら抜擢されただけあって、絵はかなり上手い。しかも、1巻開始当初から比べても、巻を追う毎にグングン上手くなっていくのが分かる。
ただ、確かに上手くて人物も可愛いのだが、良くも悪くもアニメ的というか、個性に欠けるというか、イマイチ、特定のキャラクターに惚れ込めないのは私だけ?
主役級以外の脇役 (外人)、さらには不細工なキャラや年寄りなど、絵的な描き分けは一応できてはいるのだが。
魅力がないわけではないんだけど、主人公周りの若者が、男も女も子供も、髪型が違うだけで、顔つきや表情が (ヘタすると性格も) あんまり変わらない。
キャラに感情移入できないというのは、各キャラクターの内面 (思考) を必要以上に明らかにしない作風にもよるかもしれない。
『デスノート』 (2014.3.31.の日記) のように、人物の思考が 「だだ漏れ」 だと、却って個々のバックボーンに対する興味が失せるが、余りに言葉が少なすぎるのもな。
勿論、敢えて登場人物の過去や心理を言葉では明かさず、読者の想像に任せるタイプの作品もあるが、作者らが、それを計算してやっているようにも感じられない。
一応、各キャラクターの過去やトラウマも徐々に明かされてはいくが、言ってしまうと、割と、ありきたりなエピソードが多いので、全体的に 「底が浅い」 感が否めない。
どちらかと言えば、 「死亡フラグ」 としての、脇役キャラのクローズアップの方が目立つ為、あっけなく死んだ人物達に対する中途半端な関心 (心残り) が溜まる一方で、主役級キャラに対する感情移入には、最後まで至らなかったというのが、正直なところ。
まあ、ストーリー的には、先が気になるし、アクションも丁寧な描写で文句のつけどころは無いのだが、戦闘シーンが多いことも含めると、21巻 (連載7年) 分の読み応えがマトモにあるかどうか、と言われればビミョー。
『デスノート』 とは別の意味で、 「1回読めば十分」 という印象で、絵が上手いだけにちょっと残念感の残る作品だった。
原作者の河島正氏は、連載終了直後に病死され、ほぼ同時にアニメ化の計画が制作会社の上場廃止で中止となっており、ちょっと不遇な作品のようにも思う。(現在、コミックスも新品では揃わない状況)
<関連日記>
2014.3.31. 絵的な名場面が、ビックリするほど記憶に残らない ・・・ 大場つぐみ、小畑健 『 DEATH NOTE 』
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