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秋月春風  ブログ版

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2007年09月01日
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 以前は頻繁に思っていて…最近はあまり考えないようになっていたことが、昨夜久々に心の中にぶり返してきた。

 私は、子供を持つべきでは無かったのかもしれない……と。

 昨日、知り合いのブログを読んだ。
 お子さん達だけでご実家へお泊まりに出かけられ、独りきりになった自宅で「自由だけれど虚しい」と感じている……そう、記載されていた。それに続くコメントも、その気持ちに賛同するものが多かった。

 実は私の子供達も、昨夜は私の実家にお泊まりだった。

 私は単純に、手にした自由が嬉しかった。 
多少の寂しさを感じたり、実家がおんぼろなので地震来たらまず中に居る人間は助からないから、頼むから今夜は大地震起こらんでくれよ……という不安とか、そういうのは感じたけれど、夫に連れて行って貰った本屋で心ゆくまで棚を眺め回す喜びや、風呂の中で存分に手足を伸ばし、本を読みながら長湯できる嬉しさに、浸りまくりだった。寝ている最中、私の顔面に次男の頭が降ってくることもなく、脇腹に長男の蹴りが食い込むこともない夜の眠りを、心の底から満喫した。



 ……やっぱり私は、どこか根本的なところで、母親として必要な何かが欠落しているのではないだろうか。



 昨日訪れた本屋では、ついつい育児本のコーナーにも立ち寄ってしまった。
 何冊か手にとって、ぱらぱらとめくってみたが……そんな事をするたび思い知らされるのは、私の日頃の子育てのあり方が「こうするとこんな能力のある子に育ちますよ」と本でお勧めしている方法とは全く逆の路線をひた走っているのだということだ。
 
 わかっているなら、改めれば良い……そう、わかってはいる。
 でも、多くのことが私のこれまでの人生の時間分かけて、がっちりと作り上げてしまった性格だの習慣だの……に根ざしていて、一朝一夕にどうなるもんでもない。改め終わる頃には、子育ての時期なんてとうに終わってるんじゃないかと思う。だからといって、努力を放棄しているつもりはないが、どうにも追いつかないものを感じる。

 子供を産んだことを、後悔はしていない。
 子供達のことも、愛しいとは思う。
 でも、母親として、何かが決定的に欠けた自分というものも、痛烈に感じる。
 自分の全てを犠牲にして……とは、到底思えない自分がある。
 子供達のことよりも、まず自分……という自分が、どうしようもなく確かにここに有る。
 母としてというよりも、そもそも人間としてどうなのよ?とすら感じる暗部を、自分の中に見いだすことがある。

 そんなとき、私は決まって思う。
 産むべきではなかった、母となるべきではなかった……と。
 
 私の二人の子供達。
 頑固で融通が利かないけれど、その分、興味の有ることには並々ならぬ観察力と集中力を発揮する長男。
 好奇心が強くて、あんまり強すぎて、周囲とトラブルも起こすけれど、心根はとても優しい次男。
 
 私の所にこなければ……もっともっと長所を伸ばしてもらえたかもしれない。
 もっともっと、愛情をたっぷり感じて、心豊かに幸せに暮らしていたかもしれない。


 子供は親を選んで生まれて来るというが、母親を嫌いな子供など居ないと言うか゛、私は私の子供達が、本人達にも自覚のない魂の奥深い部分で、私に落胆しているのではないかといつもいつも不安に思う。
 
 この子達の母親が、私でなければならなかった理由が、どうしても見つからない。
 どうしても、探せない。

  





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最終更新日  2007年09月01日 08時18分39秒
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