カテゴリ:本
浅野次郎さんの小説を読みました。
第二次世界大戦の終戦間近の様子を、北海道の根室の北東に連なる 千島の一番端にある『占守島(シュムシュ島)』を舞台にして繰り 広げられる人間模様を描いた力作です。 文面の中に、軍隊の専門用語、そして現地の言葉が多く使われていて 読むのが少し大変でしたが、それも浅田さんの自衛隊での経験と、多くの 取材を通しての、臨場感を出すものが感じられました。 空襲により、交通手段もままならない東京での場面も出てきます。 その当時の人々の不安や、そして政府による情報規制により、日本軍優勢の 報道が知らされている中、広島や長崎に原爆が落とされたニュースなども 入ってきて、戦争が終結に向かうであろう雰囲気にもなってきています。 占守島では、連絡手段がなかなか付かない地域で、8月15日の天皇陛下に よる放送も聴くことは出来ずに、戦争が終わってからも、ソ連軍の攻撃がある ことを知らずに待機していました。 当時、占守島に居た、様々な軍人達、医師、そして缶詰工場で働いていた 女学生達の運命が、とても儚く感じました。 かつて日本の地であった占守島。 1年のうちで濃霧に閉ざされている時間が長いけれど、夏に咲く花がとても 美しく、海の幸も豊富である平和な島。 それが、戦争によって違った光景になったわけです。 訪れることは出来ないだろう、占守島のことに興味を持ちながら、このような 小説を書くことが出来る浅野さんの才能を堪能しながら読み終えました。 【送料無料】終わらざる夏(上) 【送料無料】終わらざる夏(下) 【起床時刻】8時35分 【語学】《ラジオ》 英語5分間トレーニング 入門ビジネス英語 実践ビジネス英語 まいにち中国語 【今日の歩数】7356歩 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.06.06 06:28:11
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