今から10年以上も前、スーパーファミコンが全盛の時代に、
競輪をテーマにしたゲームも、ひっそりと何本か発売されていました。
これら以外にも、セガサターンで非売品の「スーパーケイリン」や、
パソコン用ソフトの「ギャンブルレーサー」もありますが、
今回紹介するのは、スーパーファミコンで発売された3本です。
どのソフトも、個人的に思い出深い物ばかりです。
@中野浩一監修 競輪王
主人公は、新人選手として競輪界にデビュー。
練習して、どんどん強くなって、GPで優勝するのが目的と、
この辺は実際の競輪と同じなんですが、
このゲームに一番必要な物は、競輪の知識よりも連射力です。
地脚練習、もがき練習はひたすら連射をし、
一定時間を連射し尽くせばクリアなんですが、これがかなりきつい。
最初の頃は律儀に自力でやってましたが、とてもじゃないが厳しく、
途中からは、連射機能付きのコントローラーに頼る始末。
練習し過ぎるとすぐ筋肉痛になるし、本当にイライラします。
肝心のレースの方もメチャクチャで、最終4角で捲り切ったと思ったら、
画面が切り替わって、直線でズタズタ9着なんてのはザラです。
このゲームで、唯一評価出来る部分は、
レース中にかかる軽快なBGMくらいでしょう。
妙に耳に残る曲で、未だにレース中には頭の中で流れることもしばしば。
世界の中野が監修したんだから、面白いに決まってる。
そう思って購入したものの、肩透かしを食らった人は多いはずです。
@スプリンター物語~目指せ一攫千金~
このゲームも、主人公は競輪選手としてデビューします。
競輪王と比べれば、練習にも連射が必要ないので格段にテンポが良く、
レース部分も、ある程度の作戦を練って臨めるし、
それなりに競輪の競走になるので、それなりには楽しめます。
このゲームは実際と同じく、参加したくない競走は休んでもOKで、
狙ったレースに照準を合わせて行動し、
福島の某4倍ギアのような立ち回りも可能です。
調子が落ちてきたら、3泊4日の温泉旅行でリフレッシュ。
ただし、日程をしっかりチェックしていないと、
競走の日に間に合わず、バックレてしまうので注意が必要です。
レース中には、様々な野次が飛ぶのも面白く、
「お前に有り金勝負してるんだぞー」って、1Rから有り金勝負かよ...。
「今日もオトボケかー」「今日はお前と心中だー」
ゴール後には「お前の賞金よこせー」とか、この辺は現実と同じですね。
@スーパー競輪
このゲームは、上で紹介した2ゲームのように競輪選手になるのではなく、
予想と車券のみで生活していくのが目的なのですが、
あまりにもぶっ飛んだ世界観で、とにかくネタが豊富なゲームです。
主人公は、朝起きるととりあえず競輪場に向かいます。
しかも、全て現地参戦で、入場料も競輪場ごとにちゃんと違っていて、
この辺は妙にリアルで笑えます。
主人公は、競輪場への行き帰りの途中で、
突然、思い立ったように、様々な店に寄り道をして買い物し、
買った物が主人公の部屋にどんどん増えて行くという楽しみもあります。
競輪場に向かう途中に、デパートに寄って冷蔵庫を買ったりもしますし、
パチンコ屋に寄って20万負けたりとかは日常茶飯事です。
そして、金を稼ぐに連れて、生活もどんどんグレードアップしていきます。
また、「彼女」の存在もあるのですが、こいつがまた無茶苦茶で、
主人公の財布から勝手に50万抜いてったりと、とにかく最悪な女です。
肝心の予想とレース部分ですが、何と、選手は全て実名なのですが、
当時、西の横綱だった吉岡からのドスジで30倍くらい付いたりしますし、
先行逃げ切りがやたらと多く、こっちの方もメチャクチャです。
競輪場内でも、突然、食堂で飯を食ったり、勝手に特観席に入ったりと、
ランダム要素があまりにも強く、置いてかれた感が漂います。
不覚にも発売日に買ってしまった、忘れられない一本です。
とまぁ、どのゲームも一癖も二癖もあるのですが、
当時はそれなりに熱中し、どのゲームにも思い入れがあります。
今の技術で、競輪のゲームを作ってくれるメーカーは無いのでしょうか?
密かに期待している、一競輪ファンです。