中央公園の咲いていた花です。
「デイコ」あるいは「デイゴ」です。
沖縄では「デイゴ」と呼ばれて、県の花になっています、
デイゴ(梯梧 Erythrina variegata)はマメ科の落葉高木。インド~東南アジアが原産。春から初夏にかけて咲く赤い花が有名です。
今はちょうど、花と実の両方を見られます。
仏教経典に現れる曼陀羅華(サンスクリット名をマンダーラとも呼びます)。
『法華経』序品に、釈尊が悟りを開いたとき、「天は曼陀羅華・摩訶(マカ)曼陀羅華・曼殊沙華(マンジュシャゲ)・摩訶曼殊沙華を雨(ふ)らして、仏の上及び諸々の大衆の上に散じた」と出ています。
また、ブッダ(仏,お釈迦様)臨終の際も、天から降ったと言われています。
『ブッダ最後の旅』にそれは出ています。
「そこで尊師は多くの修行僧たちとともにヒヤニヤヴァティー河の彼岸にあるクシナーラーのマッラ族のウパヴァッタナに赴いた。そこに赴いて、アーナンダに告げて言った。
『さあ、アーナンダよ。わたしのために、二本並んだサーラ樹(沙羅双樹)の間に、頭を北に向けて床(竹や籐などで作った寝台)を用意してくれ。アーナンダよ。わたしは疲れた。横になりたい』と。
『かしこまりました』と、尊師に答えて、アーナンダはサーラの双樹の間に、頭を北に向けて床を敷いた。そこで尊師は右脇を下につけて、足の上に足を重ね、獅子座をしつらえて、正しく念い、正しくこころをとどめていた。
さて、そのとき沙羅双樹が、時ならぬのに花が咲き、満開となった。それらの花は、修行完成者(タターガタ,如来)に供養するために、修行完成者の体にふりかかり、降り注ぎ、散り注いだ。・・・また天のマンダーラヴァ華(デイコ)は虚空から降って来て、修行完成者に供養するために、修行完成者の体にふりかかり、降り注ぎ、散り注いだ。・・・」 (中村元訳)
仏に供養するために華(花)を散布する 散華の元がこの花だということでした。
でも散華として、今、よく見られるのは、蓮の花の形をした色紙です。
日本では、蓮などの生花が使われることが多かったからでしょうか。