UDEYANの四方山話

　今回の地震で一部発電所が停止し、関東地方や東北地方の電力供給が不足していることに対応するため、ツイッター上で節電を呼びかける草の根運動が広がっている。例えば「ヤシマ作戦」。普段から節電を心がけるほか、特に電力需要がピークとなる午後6～7時にできるだけ電気を使わないよう炊飯時間をずらすなどの対処を呼びかけている。これに応え「ヤシマ作戦遂行中！」「コタツ消しました」などといったつぶやきが相次いでいる。

　ヤシマ作戦の遂行を呼びかける「正式通達ツイート」と名付けられたつぶやきは、これまでにツイッター上で4万3000回以上転載（リツイート）されたという。ヤシマ作戦はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に登場したエピソードにちなんだもの。アニメでは敵と戦う際に多くの電力を必要とする武器を使うため、日本中が停電になった。

個人の呼びかけ、企業を動かす

　ツイッター上のヤシマ作戦は当初、個人が無断で始めたものだった。だが13日午後3時、エヴァンゲリオンの映画劇場版の公式ブログで「私たちも遅まきながら『ヤシマ作戦』に賛同し、参加したいと思います」という書き込みがあり、ツイッター上のヤシマ作戦を認める方向を示した。

　節電を呼びかけるキャッチコピーを作るプロジェクト「節電ポスター」も始まった。誰でも節電を呼びかけるポスターを作成し投稿できる。現在は有志のコピーライターやグラフィックデザイナーが「電気を消して希望を灯そう。」など、30作品以上を投稿している。投稿された作品が気に入ったら、インターネット経由の印刷サービスを使い、一部コンビニエンスストアの多機能コピー機でプリントアウトして張ることもできる。

　14日には本格的な企業活動が再開することから、相当量の電力が不足することが予想される。菅直人首相は13日夜、記者会見で「東京電力と東北電力の供給は極めて厳しい。近日中に復旧する見通しが立たない。供給不足になり域内全体が大規模停電になる事態は何としても避けなければならない」と語り、東京電力が14日から輪番停電を実施することを了承したと明らかにした。海江田万里経済産業相はこれに先立つ13日昼、産業界に対して電力の使用抑制を求めていた。日本経済団体連合会は会員企業に電力使用の抑制を周知徹底する方針だ。