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マイスクール慶應修学舎の記憶

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2012.01.01
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カテゴリ:思想

 童蒙おしえ草、ひびのおしえ―現代語訳
童蒙おしえ草、ひびのおしえ―現代語訳

 お気に入りの書物を紹介。

 あまり知られていないかもしれませんが

 福澤諭吉の「ひびのおしえ」です。

 この本は、子息一太郎と捨次郎の兄弟のために、

 一日毎に書き与えた教訓集です。

 こんな定めがあります。

 (お定め)
 一、ウソをついてはいけません。
 一、おちているものをひろってはいけません。
 一、父母にきかずに、ものをもらってはいけません。
 一、強情(ごうじょう)を張ってはいけません。
 一、兄弟ゲンカはぜったいにしてはなりません。
 一、ひとのうわさなどはしてはいけません。
 一、ひとの持ち物をうらやんではいけません。
  
 その中でこんな一節があります。

 「もゝたろふが、おにがしまにゆきしは、たからをとりにゆくといへり。
  けしからぬことならずや。たからは、おにのだいじにして、
  しまいおきしものにて、たからのぬしはおになり。
  ぬしあるたからを、わけもなく、とりにゆくとは、
  もゝたろふは、ぬすびとゝもいふべき、わるものなり。」

 (桃太郎が鬼ヶ島に行ったのは宝を獲りに行くためだ。
  けしからん事ではないか。宝は鬼が大事にして、しまっておいた物で、
  宝の持ち主は鬼である。持ち主のある宝を理由もなく獲りに行くとは、
  桃太郎は盗人と言うべき悪者である。)
 
  福澤諭吉が生きたあの時代に
 
  自由な発想と見解を述べることができる気概には

  いつも圧倒されます。

 (追記)
  <慶應義塾福澤研究センター顧問の桑原三郎さんは、
  『ひゞのをしへ』の中で、桃太郎が鬼が島へ宝を取りに行ったことが
  「けしからぬこと」であり、「もゝたろふは、ぬすびとゝもいふべき、
   わるものなり」とされていることを注目して、
  「桃太郎盗人論」と名づけて重視している。
  そして、福澤が桃太郎盗人論を述べた背景として、
  「「ひゞのをしへ」は、言わば『学問のすゝめ』の幼年版とも見做すべきもの」
  であって、「一身の独立のためには、
  他人の独立も侵さないという考えが前提にあり、
  桃太郎盗人論になったのでありましょう」と説明している>。

  
 「ひびのおしえ」の中には、こんな教えも

  ■手足にけがをしたときは、紙でむすべばだいじょうぶです。
   ぬりぐすりなどをつけて、だいじにしていても、じきになおります。
   ちょっと打っていたくなったぐらいなら、傷もみせないものです。
   サテ、ひとというものは、ウソをつかないはずです。
   ぬすみはしないはずです。いちどでもウソをついて、
   ぬすみをはたらくときは、これのことを、心のけがといいます。
   心のけがは、手足のけがよりもおそろしいものです。
   飲みぐすりでもぬりぐすりでも、なかなか治せません。
   そういうわけなのだから、おまえたちは、
   手足よりも心をだいじにするべきです。

  ■ひとのふりみて、わがふりなおせ。
   おまえたちもきょうも、食べものにも着物にも、不自由はありません。
   それなのに、その心をおとなしくできずに、ひきょうな根性をもって、
   本も読まず、勉強オンチになることがあれば、
   どのようなりっぱな着物も、どんなおおきな家にいても、
   ひとにバカにされて、ひとにうしろから指をさされるようになって、
   浮浪者でも味わわない恥をかきます。
                        ひびのおしえ初編終

 この正月、一読あれ。







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Last updated  2012.01.01 11:05:30
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