海と真珠

名駅で一人の誕生日を楽しんで帰宅すると、ほどなく杏も小学校から
帰ってきました。
お友達と遊びに行くというので、「今日は塾だから早く帰ってね」と
送りだしました。

その時杏から卒業アルバムを渡されました。
立派なアルバムです。前半は写真、後半部分は卒業児童達による文集という
作りになっていました。
そういえば杏はこの「卒業アルバム制作委員」のメンバーになって、
随分頑張っていましたね～。

ふんふんと鼻歌交じりに杏の作文を読んでみました。
修学旅行の楽しかった思い出が活き活きと綴られていました。
そして、最後の部分。
「私はこの小学校に来る前、２つの小学校にいた。最初転校してきた時は、
恐らく卒業式を迎えるであろう小さな小学校、としか思えなかった。
でも、今はこの学校にきて良かったと思っている。
色々な事を経験し、たくさんの思い出ができた」

もう、このくだりで号泣ですよ。
せっかくランコムのＢＡさんに綺麗にメイクしてもらったのに。
台無しです。あー、こんなのって反則！

冗談はさておき、私は娘に厳しく接した部分があります。
それは転勤族の子供だというハンデを、どうにか克服してほしかった
から。

「どこに転校しても、勉強で困らないような学力を身につけさせ
なくては」
「転校先でいじめに遭っても、負けないだけ強くさせなくちゃ」

私は杏の為にと先回りして、そんな心配ばかりして娘を叱咤激励
してきました。
それは果たして杏の為になる事だったのか・・・
もっと娘の心に寄り添い、温かく見守ってあげればよかったですね。

でも、杏が「今の学校に来てよかった」と言ってくれるなら・・・
夫も私も本当に救われます。
最後は「楽しかった」で締めくくれるのが１番よい事だと思うので。
先生方やお友達に私も心から感謝します。
本当にありがとう。