体中に電撃の走るようなキス。
全身をめぐる血が一気に沸騰して、
指先までしびれるようなキス。
ダーリンの唇が、
ひいちゃんの唇に触れたとき
そんな感覚が走り抜けたもんです。
かつては。
このエネルギーを蓄電しといたら、
風呂ぐらいは沸かせるんやないやろか。
そんなふうに思ったもんです。
かつては。
もう、何十回、何百回、
おはよう。
行ってきます。
ただいま。
おやすみ。
そのたんびにチューチューしとったら、
そのうちお互いの唇の間には、
電気が発生しなくなります。
ひいちゃんの壮大な再生可能エネルギー計画は、
ここで頓挫してしまいます。
けど・・・
ひいちゃんは、
あの、電撃のキスをしてしもたんです。
ダーリン以外の人と。
それは、今朝のできごと。
いつも通り、
ばあばに抱っこされたリトル・ひいさまに見送られ、
車の中から行ってきま~す!と手を振ったら、
リトル・ひいさまがタコのように唇をつき出し、
ちゅ~!
・・・どこで覚えたんですか、そんな芸。
しゃあないから、窓を開けて、
ひいちゃんも唇をば、つき出す。
リトル・ひいさまの唇に触れたその瞬間。
ぴしぃっ!
鋭い静電気。
すっかり乾燥しきった空気に、
フリースの上着でお掃除なんぞしとったひいちゃん。
思いっきり蓄電しとったとしても、
なんの不思議もありません。
いでっ!!
電撃のキスにひるんだのは、
ひいちゃんだけではありません。
びぃえええええええ~~~ッ!!
痛みと驚きに、ひしりたおすひいさま。
しかも、
ママわるい!
ママ、なんかいたいことした!
近所中に響き渡るくらいの大声でわめく。
人聞きの悪い。
せやけど、これがトラウマになって
リトル・ひいさまが
金輪際チューのできない子になってしもたら...
将来にかすかな不安のよぎる
今朝の出来事でありました。
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