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カテゴリ:手塚治虫
このアニメーションは手塚治虫御大が寝食を忘れて作り上げたフルアニメーションムービーである。
ただ、作りました。ではなく大いなる実験であり挑戦のアニメーションでもあったのです。
その実験、挑戦というのは、本来アニメはアニメーターがそれぞれ何人かいて、その場面を担当したアニメーターによっていろんな人物が描かれていく。
しかし、手塚御大はキャラクターの方に担当をつけたのです。
主人公をは誰、ヒロインは誰が担当する、と言う形で「特定の人物を描く担当者を決めた」というやり方をしたのでした。
それによりアニメーション全体において登場人物が場面によって顔が変わったりする変化が起こらない描き方をしたのでした。
アニメーションとしては人物に違和感がないという効果が出てきて、とても見やすいでしょう。
しかし、制作に時間がかかるので作り上げるまでに大変な努力が必要です。
少しの出番でも、ここに「必要だ」となると、「○○さんを呼んできて描いてもらわないと!」と言う形になります。
実際には持っていた以上に苦労があったハズ。
しかし、この実験は思った以上の成果を上げた!とは聞いておりません。
昨今は、人物も壁も背景もCGで処理するのでこの様な手間のかかる作業はやっていないでしょう。
何しろこの作品は『1980年に公開された手塚の原案・構成・総監督による劇場用アニメーション映画』なのですから。
ある意味、手塚御大だからこそ許されたとでも言える実験的な手法だったわけです。
確かに漫画として考えた場合、作者がキャラクターまでアシスタントに任せることはなく、主要な人物は自分で描くので、作品的に違和感がないものです。
このパターンは時折、ペン入れをアシスタントに任せるという形で変わる場合もありますが、やはりページによって担当者の画風が出てしまい、主人公の顔まで変わって見えるというサプライズな漫画になります。
これは当時大人気で大忙しだった『石ノ森章太郎』御大が『人造人間キカイダー』の連載時に下書きのみ自分で行って、ペン入れをアシスタントに任せるというスタイルを行っており、今でもコミックスで主人公やヒロインの顔がページごとに違ってしまうというパターンが読み取れます。
また話がずれてきました(笑)
そんな神様・手塚御大の大いなる情熱と執念の結晶『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』 。
youtubeあたりで検索してみてはいかがでしょうか?
ではまた♪
見たら…押して~♪
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